No.74 紀伊國屋書店 福井店(福井県福井市)
さて、福井駅前でもう1軒。おなじみ、紀伊國屋書店だ。和歌山にはなかったけれど、福井にはちゃんとある。もはやこちらのロゴを見ると、親しみさえ感じる。知らない土地でも、このロゴさえ出ていれば大丈夫、というような。ここ福井でも、見掛けたからには素通りするわけにはいくまい。
で、こちら、予想どおり、飛び込みでいってもちゃんと迎えていただきました。
文芸担当の若い山本友里さん。まだ入社して10ヶ月目の初々しい新人。かつてはテレビ局でADをしていたというが、それが合わずに転職をした。
「本を出したり、注文したり、接客したり、そういうことが自分に合っていると思います。いろいろ任せてもらえるし、やりがいがあります」
とのこと。まだフェアとかの経験はないが、
「江國香織さんの『真昼なのに昏い部屋』(講談社)にPOPを書いてつけたら売れて、うれしくて」
と、おっしゃる。それに気をよくして、今は川上弘美さんの「パスタマシーンの悪魔」(マガジンハウス)にPOPをつけて、展開中だ。
こちらのお店らしい売れ筋としたら、現在展開中の、福井県の古絵葉書やポスターのフェア。それに、文庫では門井慶喜さんの「天才たちの値段」(文春文庫)やクリスティの「そして誰もいなくなっ
た」(ハヤカワ文庫)を大きく展開中。そのほか高村薫さんの「レディ・ジョーカー」(新潮文庫)や米澤穂信さんの「ボトルネック」(新潮文庫)など、ミステリ系に力を入れているようである。
さて、こちら、文芸売り場に小さいが宮下奈都コーナーもちゃんとあった。さすがだ。
「宮下さんは地元の方なので、係長がコーナーを作りました。私も新聞の切り抜きを貼っておきました」
山本さんにも、「スコーレNo.4」祭りの宣伝をする。
「そうなんですか。文庫担当の者に伝えておきますね」
山本さんは真面目な方なので、ちゃんと伝えてくださるでしょう。
ところで、山本さん、生粋の福井県人ではないのだそうな。以前は新潟にいたという。山本さんに、福井県人の県民性を尋ねると、
「しゃきしゃきして、さっぱりしている。それに共働きが多いせいか、女性が強いですね。言いたいことはびしっと言うけど、根に持たない。さばっとしている。だから、気が楽です。雪も新潟に比べると少ないですし、町もこじん
まりとしていて住みやすいところだと思います」
すっかり福井に根を下ろした感じの山本さん、これからやってみたいことは、と尋ねると、
「自分で自分の好きな本を飾って、自分でPOPつけて、全部自分発信でフェアをやってみたいです」
そう言って目を輝かせる。その前向きさで続けていけば、そのうちきっといいフェアが組めるに違いない。山本さんの初々しい情熱に触れて、ほのぼのとした気持ちになって、福井営業を終了した。
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