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2019年12月

148.三省堂書店札幌店

北海道営業、2軒目に訪れたのは、三省堂書店札幌店。
こちらは、JRタワー札幌ステラプレイスというビルの中にある。通路代わりに行き来する人もいるので、とにかく人が多い。
そのためだろうか、この店ではインデックスがとても大きくて、見やすい。インデックスというのが正しい業界用語かはわからないが、つまりは案内板。「日本文学」とか「NHKテキスト」とか、売り場に何が置いてあるかを示すものだ。どの書店でも、インデックスには工夫しているが、この店ほど大きく、いたるところに展示している店はちょっと記憶にない。
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「店が広いので、とにかく見やすいことを心掛けています」
と、語る水口由紀さん。
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水口さんは北海道出身だが、この店の前は三省堂書店そごう千葉店にいた。それ以前には有楽町店にいたこともある。
しかし、
「札幌に帰って来れて、ほっとした」
と言う。札幌はコンパクトに都会の機能がまとまっている。それでいて自然環境にも恵まれているので、生活がしやすい。満員電車もない。
書店の売り場の傾向としては「東京から一週間後くらいに流行がくる」
とのこと。北海道民は地元好きで、地元本もよく売れる。歴史が新しいので県民性はおおらか。他の県に対抗意識がないという。

さて、この店の大きな特徴としては、商業施設の中にあり、7階に映画館があるので、小説原作がよく売れる。そのため入口に近いところにモニターを置き、映画の予告編などを流している。その周りに関連書籍を置いている。
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それに、この店には20代の若い女性が多い。お洋服を買うついでに、本屋に立ち寄るという人も多いそうだ。なので、目立つところに若い女性に特化したフェア台を作っている。並べてあるのは「大好きな人のど本命になるLOVEルール」「夢が現実になる未来手帳」といった実用書から「私は私のままで生きることにした」「『恋愛地獄』『婚活疲れ』とはもうサヨナラ! 最後の恋を”最高の結婚”にする魔法のメス力」などのエッセイ、「無人駅で君を待っている」といった小説まで、ジャンルくくりではないが、なんとなくそこにカラーがある。どんなお客さまを想定しているか、はっきりわかる棚だ。
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「SNS時代になって、ヒットが生まれる場所が増えました。発信ツールが多いので、どこで何が人気があるのか、チェックするのは大変です」
確かに、ツイッターやブログ、インスタだけでなく、ユーチューブなども無視できない力を持つ。水口さんは、かつて有楽町店ではビジネス書担当だったので、ビジネス書を読んでいた。いまは、SNSをチェックすることが仕事の一環である。そうして、そこで得た知識を売り場に反映させているのだ。
「たいへんだけど、刺激があって楽しいですね」
そうした努力が、ほかには真似できない売り場を作る原動力になっている。



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147.MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店

先日、私用で札幌を訪れた際に、札幌の書店を三軒訪れ、出たばかりの拙著「1939年のアロハシャツ」(ハヤカワ文庫JA)の営業させていただいた。
せっかくなので、そちらの紹介もしたいと思う。

まずはジュンク堂札幌店。
札幌は雪が降るので、地下街が発達している。寒い地上を避けて、地下道を行き来するらしい。ジュンク堂の出口は34番出口直結だという。
34番!東京でもそこまで出口は多くない。
観光客なので、ちょっと迷いました。
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そして、たどり着いたお店は、とにかくでかい。地下二階から地上4階まで1800坪あるという。
これだけ広さがあれば、だいたいの本は揃う。雑誌・コミックから専門書まで。ジュンク堂の最大の強みである品揃えの良さが、この店でも最大の特徴だ。

店の正面玄関から入ってまず目につくのは、一階の大理石のフェア台。建物の構造上できたスペースを、うまくフェア台に転化したもの。
「今月の当店のイチオシ!!」というロゴの下に、蟹の皿の写真が入った「札幌本」というムックの大きな写真が。
東京ではほとんど見かけないが、さすが、ご当地本。人気の一冊のようだ。それが写真を囲むようにずらりと並べられている。
フェア台が大理石なので、ゴージャスな感じがする。本の格が上がるような気がする。
きっとどこの出版社の営業さんも、この場所に自社の本が並べられることを願っているのではないだろうか。
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そして、その前に、各ジャンルの話題の本を集めた棚が長く長く伸びている。そして、もうひとつの入口の近辺には、地元北海道テレビ放送すなわちHTBグッズや、そのマスコットキャラであるonちゃんのコーナーが。
これは、現店長の石原聖さんが「この店らしい特色を打ち出そう」という方針を掲げ、いろいろ試している現れのひとつだ。
こういう感じは、いい意味でジュンク堂らしくない。ジュンク堂といえば図書館のように、あまり本に優劣をつけずたくさん並べるというイメージがある。それはひとつの見識だし、そういうジュンク堂も素晴らしいと思うのだが、個人的にはその店らしい工夫がある方が好きだ。書店員の息づかいを感じられるから。ゆっくり見られなかったのが残念だが、この店はそういうひとつだと思う。
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店を案内してくれた伊藤樹里さんによれば、北海道は本州とはやはり売れ方が違うという。札幌と道東でもまた違う。
「園芸の本ひとつとっても、気候が違いますから売れる本が違う」
確かに、ファッションについてもそれは同じだろう。
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それに、流行に飛びつくのも早いが、引くのも早い。そして、地元北海道新聞で紹介されたものはよく動くという。
やはりそれはHTB関連商品と同じで、地元意識の強さの現れだろうか。入口近くの雑誌コーナーでも、ご当地雑誌がいちばん目立っていたのだが。
「でも、東京の売れ筋は意識していますよ」
と、伊藤さん。新しもの好きな札幌の人たちは、東京での流行にも敏感なのだそうだ。
地元も好きだが、流行ものも好き。その辺のバランスをうまく棚に反映させるのが、北海道の書店員の仕事なのかもしれない。

この店は繁華街にあり、もとはデパートの別館のテナントだったそうだ。
そのため女性や高齢者が客層の中心。通路が広く、天井は低めだ。なので、ベビーカーを使っていても、楽々本が選べる。
これはとても嬉しい。児童書のところには、子どもたちが本を読めるスペースや、読み聞かせを行うスペースも広く取ってあり親子連れに優しいお店でもあった。
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そして、伊藤さんが新刊の拙著を飾った棚のところに案内してくれた。新刊書と平台と二カ所に置いてくださる。
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伊藤さん、拙著を読んでいる最中だという。届いたばかりなのでまだ読破できないが、と言いつつ、感想を伝えてくださった。
新刊後に書店回りする機会は私も多いが、皆さんお忙しいし、販売直後なので拙著を読んでくださっている書店員はまずいない。
それが当然だと思っていたので、ちょっとびっくりした。わざわざ東京から来るというので、心優しい伊藤さんが気を遣ってくださったのだろう。
今回は旅行中だったので、新刊営業だがひとりで書店を回っている。こころ寂しい気持ちが、伊藤さんの優しさに慰められました。
ありがとう、伊藤さん。
ジュンク堂は、実は親切な店員さんが多いと思っている。このブログで突撃訪問した時も、ジュンク堂だけは嫌な顔をされたことがない。
その想いがまた今回上書きされました。
時間がなかったので、駆け足で店内を見て回ったけど、またいつかゆっくりこの店を訪ねたいと思いました。

 

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