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No.69 うつのみや 金沢百番街店(金沢市木の新保町)

Img_1022 さて、ここから北陸の旅。北陸といっても、金沢と福井だけだがな。
金沢はいとこが住んでいるから。福井は宮下奈都さんにお会いするため、というテーマがある。なので、営業半分、旅行半分な気分。
金沢は、最初は駅ビルのうつのみやさんに飛び込み営業。いきなりだったので、店長大田伸一さんがレジに入る直前。それまでの10分弱だったら、ということでお話してくださった。

Img_1030 こちら、金沢駅1階の、百番街というショッピングモールの一角にある。文芸ベストセラーのほか、雑誌、コミック、文庫、実用書が売れ筋。この日は洋書のバーゲンもやっていました。
でも、この店で驚くのは、POPの充実ぶり。誰か絵のうまい書店員さんがいるんですね。コミックタッチのイラストが売り場に飾られている。壁の目立つところにあったのは「魔法のiランド文庫」の告Img_1025 知。キャラを6人ほど描いて、切り抜きで貼ってある。絵もうまいが、描き文字もうまい。こういう書店員さんがいたら、お店は助かるだろう。
「うちはジャンルの担当はないのですが、POPの担当がいるんです。彼女がPOPや帯をいろいろ描いています」
Img_1027 平台で金沢小説を集めた文庫フェアをやっている。そこでも、イラストつきの大きなPOPを発見。恩田陸さんの「ユージニア」のPOPだ。恩田さん自身は金沢出身ではないが、この作品の舞台が金沢なのだ。ほかにも「十津川警部捜査行 北陸事件簿」(西村京太郎・双葉文庫)とか「金沢殺人事件」(内田康夫・講談社文庫)とか。
「金沢では地元の本が売れるんですよ」
と、大田さん。やはり古都金沢、地元愛も強いのだろう。にしても、Img_1026 金沢は殺人事件の舞台になりやすいんだな、と思ってよく見たら「古都・金沢ミステリーフェア」でした。手作りの帯も巻かれている。そういえば、米澤穂信さんの「ボトルネック」もある。舞台が金沢というだけでなく、米澤さん、金沢大学の出身だそうで。なるほど、このフェアの核は「ボトルネック」と「ユージニア」なんだな、と勝手に思いました。
さらに、金沢らしいといえば「心の持ち方」(ジェリー・ミンチントン、Img_1033 ディスカヴァー・トゥエンティワン)というヒットがあるのだそうだ。この書名、私は初耳だったのだが、
「最初、紀伊國屋さんで仕掛けたら動いたんです。それで、これを金沢発の全国的なヒットにしようということで、いくつかの書店が協力してそれぞれの店で展開しました」
それでこの本は金沢から火がついて、全国区になった。こちらの店でも、昨年、500冊売ったそうだ。なるほど、金沢発か。地域の書店で協力して、という話は初めて聞いた。たぶん、地元本ならほかでもあるかもしれないが。ツイッター上に、広島発のヒットを作る運動が広島の書店で始まったという書き込みがあったが、金沢に先例があったんだな、と思いました。

Img_1024 ところで、こちらは場所もいいし、文庫の売り上げは金沢でも1,2位を争う実力店なので、イベントやサイン会も時々、仕掛けるのだそうだ。
「とくに印象に残るのは、室井滋さんのサイン会。『平凡キング~ニャンちゃって漫画』(ネコパブリッシング)の時だったのですが、室井さんはひとりひとりに丁寧に対応されるので、全部で3時間くらい掛かりました」
ほかにも、「食堂かたつむり」(ポプラ社)の小川糸さんが、ほかのお店のサイン会のついでに挨拶に来られて、サイン本を作ってくださったのが記憶に新しいそうだ。

Img_1029 ところで、ベテラン書店員の大田さんに、書店員になってよかったと思うことを聞いてみた。
「毎日、違う情報が入ってくることですね。いろんな作家さんのことを知ることができるし、常になにか新しい発見がある。だから、飽きずに35年やってこられたんだと思います。それに、この仕事、最後まで行き着くということがない。常に追いかけているのがいい。まだまだやるべき仕事がある、というのがいいですね」
常に追いかけている。いい言葉だ。まだまだ飽きない、というのもすごいことだと思う。
Img_1031 しかし、そんな話をしているうちに、そろそろレジの時間だ。最後に、大田さんが書店員としてやり残していることを聞いてみた。
「できれば一度、大きな書店をやってみたいですね。400坪までは経験したことがあるのですが、1000坪を超えるような大型店はやったことがない。もしやったら、どうなるか、楽しみですね。それにスペースが広いと、いろんな仕掛けが出来るんじゃないか、と思います」
と、ベテランながら、まだまだ守りに入っていない。そんな大田さんの力強い言葉を聞いて、1軒目の営業は上り調子な気分で終了した。

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コメント

北陸営業お疲れ様でした。太田さんに会えたのはよかったですね。ご案内できず申し訳ありません。
室井滋さんのサイン会をネコパブで担当させていただいたのが僕でした。富山出身の室井さんが、先代の宇都宮社長にご恩があってぜひ金沢でサイン会をとの話から行われたんですが、それは大盛況でした。太田部長、渡辺部長の丁寧な応対もあって大成功でした。僕の数少ない営業でのいい思い出です(笑)。
太田さん、渡辺さんのような方に教えてもらう事がまだまだいっぱいありますね。また金沢へ行きたいと思いました。
ありがとうございました。

投稿: 実業之日本社 久保田 | 2010年6月12日 (土) 00時26分

コメント、ありがとうございます。
そ、そうだったんですか、室井さんのサイン会、久保田さんのご担当だったんですね。ほんとに、大田さんの会話の中で、印象に残るイベントとしてすらりと出てきた名前だったのですけど。
世の中、いろいろ繋がっていますね。ほんと。

投稿: 碧野 圭 | 2010年6月12日 (土) 10時19分

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