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2010年2月

No.28 神宮前泰文堂(名古屋市熱田区)

Img_0555 さて、この日、最後は泰文堂さん。
パレマルシェという、神宮前駅そばのショッピングビルの中にあるお店。
場所柄、主婦だけでなくビジネスマンや学生も多く集まりそう。広い店内に、ビジネス書や学習参考書書なども充実していました。

ただ、こちらも広い店内に、土曜日のせいか書店員さんが少なく、担当の方がレジを離れられそうになかったので、ご挨拶だけに留めました。
Img_0554_2 営業の竹田さん曰く、人情に厚いお店だそうで、確かに本も一番目立つところに置いていてくださいましたし、我々の駐車券も、特別に時間を延長できるよう計らってくださいました。さりげない心遣いが嬉しいです。ありがとうございます。

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NO27.磨里書房 南店(名古屋市熱田区)

Img_0553_2 さて、豊橋から名鉄に乗って神宮に戻り、友人の和美と会う。和美が、また書店周りにつきあってくれるのだ。しかし、私と和美の組み合わせは、どうも道に迷うらしい。版元からもらった資料にある住所をいくら探しても、みつからない。ここぞとばかりに出したアイフォン(ようやく住所検索が出来るようになった)のナビでも、該当なし、と出る。
結局、一番あてになる、住人に尋ねるという手段でお店を突き止めました。なんのことはない、資料にマリ書房とあったのが、磨里の間違いだったんですね。

店構えはこじんまりしているようで、中は意外と奥行きがある。入り口脇には寄せ植えの鉢。入ってすぐのところにパン関係のムックが並んでいたり、子供たちがアナログのゲー ム本で遊べるようなコーナーが作られていたり。BGMもジャズが流れていました。お洒落でこだわりが見られるお店。
お、これは素敵、と思いましたが、バイトの方だけだったので、挨拶だけにしました。

うーむ、取材がしたい。
次回、機会があったらチャレンジしたいお店でした。

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No,26 精文館書店 本店(愛知県豊橋市)

Img_0550 名鉄に乗って小一時間。さて、やってきました豊橋市。ここはバンクーバー五輪の代表である鈴木明子選手の出身地。
ここにやってきた目的は、精文館書店の商品部の谷本直紀さんにフリーペーパーに協力してくださったことのお礼のため。精文館さんは、拙著にとても協力してくださっている。豊橋くらい足を運んでもばちは当たるまい。というか、行くべきでしょ、人として。

精文館書店は豊橋駅のすぐそば、売り場総面積1500坪、書店部分だけでも1200坪。東海地区最大の書店だそうである。本館のほか、文具と児童書を扱う文具館、アニメDVDとホビー関連商品を扱うコミック館もある。まずは本館のビルの5階の本部へ。エレベーターの入り口がわからなくて、店内のエスカレーターを使ってあがっていきましたが、フロアごとに全然、雰囲気が違って面白い。ことに4階はフィギュアとか充実していて、まるで別のお店みたい。
5階で谷本さんにご挨拶をし、谷本さんの案内で1階の文芸書売り場へ。文芸担当の上田孝巳さん。実は実業之日本社の営業の竹田さんから、私が伺うことが伝わっていたらしく、上田さんはすでに私のブログをチェック済みだとか。わお。
そのせいか、上田さんは幾分、警戒気味。むー。

Img_0543 1.仕事で気をつけていることは?
お客さんが探しやすい棚を作るということですね。この本の隣はこれ、とだいたい流れがありますから、それに沿って棚を作りつつ、個性を出す、ということです。
あとは、お客さんにどんどん聞くということですね。問い合わせがあったとき、名前も版元も覚えていらっしゃらない場合でも、どこでその本を知ったか、どうしてその本を欲しいと思ったか、お客さんの記憶を吐き出させると、その書名を推測できることが多いです。
2.印象に残る営業マンは?
やはりまめに着てくださる方ですね。それから、こちらが接客している時にはちゃんと待ってくださる方。まずお客様ありきですから。それに、自分のところの本だけでなく、他社のこれといっしょに置くといい、というような提案をしてくださる方は、こちらもありがたいですね。
Img_0548 3.接客で印象に残ることは?
レジで接客している時、5冊くらい本を持っていらして、それが全部自分が読んでいる本だった、というように趣味が被るような方は印象に残っています。
4.書店員になってよかったことは?
本を扱っていると、自然といろんな知識が増えていって、それがよかったことだと思うのですが、最近ではだんだん知識に飲み込まれていっているかな、と思います。
それに、ほかの書店に行っても、楽しむことができないんです。まだ、これ置いてあるんだ、とか、あ、これ取り寄せなきゃ、とか思ってしまうから。もともとは本が好きで、本屋は自分にとって安心できる場所でした。それで書店員になったのですが、10年もやると、こうなってしまう(笑)。
5.よく行く書店は?
三省堂の名古屋髙島屋店とテルミナ店は定点観測しています。東京ですと、ジュンク堂池袋店と神田三省堂書店ですね。
休みの日は、近所にはうちの支店しかないというのもあるので、むしろブック・オフに行ったりします。新刊書店だと、棚の並びはだいたい見当がつくのですが、ブック・オフはぜんぜん違うので面白いです。
6.仕掛けてうまくいったことは?
Img_0544 小さいフェアは好きでたまにやるのですが、宮崎学の「突破者」がまだ有名になる前に、これは面白いと思って平で置いたところ、結構売れましたよ。版元の南風社の営業の方が覚えていてくださったくらいですから。
最近では、「アンブロークンアロー ― 戦闘妖精・雪風」を3,40冊売り、「SF本の雑誌」を細かく追加を掛けて、合計で2,30冊売りました。それで調子に乗って「狂乱西葛西日記20世紀remix SF&ミステリ業界ワルモノ交遊録」を20冊注文したところ、これはちょっと余ってしまいまして。でも、気長に売ろうと思って、目立つところに置いてあります(上の上田さんの写真の背後にある)。
7.これからやってみたいことは?
そうですね。実は本店は文芸の売り上げが伸び悩んでいまして、新刊を並べるだけではどうしても立地のよい系列店やAmazonには勝てない。それで考えたのは、出版社ごとの全店フェアをやったらどうかな、ということ。ジャンルを絞ってやれば、成立するんじゃないかな。長崎出版や論創社だったら、面白いものになるんじゃないか、と思っています。

Img_0546 入り口すぐの目立つところには、東野圭吾さんの新作とか、普通のベストセラーが置いてあるのですが、そこをちょっと中に入って、文芸の新刊、というところになるとすぐに上田さんのこだわりがわかる。東浩紀さんが表紙の早稲田文学が面出しされていて、その隣りに「クォンタム・ファミリーズ」が置いてあったり、「さよなら、ジンジャー・エンジェル」が目立つところに平で積んであったり。神山健二さんの「東のエデン」の隣りに上橋菜穂子さんの「獣の奏者」が並べてあったり(神山さんは、上橋さん原作の「精霊の守り人」のアニメの監督・脚本を務めた)。押井守監督の「ASSAULT GIRLS AVALON」が棚ざしになってるし。普通、置かないでしょ、一番上には。しかも2冊も。
Img_0547 ぶっちゃけ、上田さん、SF好きでしょ?
私自身は、決してSF者ではないのだが、周りにそっち系が多い(同世代の本好き男子はことごとくSF好き、と言っても過言ではない。少なくとも私の周りでは)ので、わかるんですよ。
んでもって、ここでも「狂乱西葛西日記」の話が(これで3軒目)。しかも、いまいち売れていないと聞いて、ついつい私は自分のバッグから宮部みゆきさんの文庫に挟んであった「大極宮」(大沢事務所所属作家の通信チラシ)を取り出し、「ほら、ここで宮部さんが『狂乱西葛西日記』をすごく褒めてますよ。これをPOPに使ったらいいんじゃないですか?」などと、釈迦に説法的なことをやってしまいました。何をやってるんだか。私は本の雑誌社の営業マンか。でも、最初私を警戒していたっぽい上田さんが、SF話になると楽しげに語ってくれました。よかった、共通の話題があって。

Img_0552 もちろん、こちら、本店ですから、SF以外にもあらゆるジャンルが充実しています。上田さんはSF以外にもちゃんと目配りされていて、私の本も浅田真央ちゃんの新刊の隣に置いてくださっていました。ありがとうございます。
んで、SF話で盛り上がって取材が長引いてしまったのに、その間、谷本さんはちゃんと私を待っていてくださいました。お忙しいのに、すみません。谷本さん、ほんとにいい方です。

そんなわけで、楽しく過ごした精文館書店本店。近隣のSF者は足を運ぶべき店です、と書いたら、精文館さんには迷惑でしょうか。SF好きじゃなくても、大丈夫。東海一の大書店ですから、あらゆるお客様のニーズに応えてくれます。豊橋に行ったら、ぜひ、お立ち寄りを。

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No25.三省堂書店 名古屋髙島屋店(名古屋市中村区)

Img_0525 さて、三省堂書店名古屋髙島屋店。名古屋駅から地続きのデパートの11階にある543坪のお店。
ここは、名古屋でもっとも売り上げの高いと言われるお店。広い店内に、朝からお客様が詰め掛けている。
そうなんです。私にとってはすごく敷居が高い。実は名古屋一敷居が高い店かもしれない。
といっても、丸善のように格式の高さからくる敷居の高さと違って、こちらはトラウマから来る敷居の高さ。実は4年前、「辞めない理由」で営業に行ったとき、あまりにも文芸担当の方が忙しそうで、ろくに話し掛けることもできず、すごすごと帰ったという苦い経験があるからなのだ。まあ、名古屋一の店なので、忙しさもまた格別。行った時間帯も悪かったんだろうな、と思います。
なので、正直、今回はパスしようと思っていた。営業の竹田さんに言われるまでは。
「後藤副店長さんは、すごく気さくな方ですよ。いつも親切に応対してくださいます」
それで、その後藤副店長を心の支えに伺うことにする。
Img_0526 だが、私が勘違いしたのか、後藤副店長はお休み。文芸担当の方もお休み。
「でしたら、大丈夫です」
これ幸いと、営業セット(手書きPOPと注文書と新聞のコピー)をレジに置いて帰ろうとすると、「ちょっと待ってください」と、応対してくださっていたレジの女性がどこかへ走っていく。しばらくして戻って来られると、「まもなく店長が来ますので、お待ちください」
なに、店長?聞いてないよ、そんなこと。
で、店長の副田陸児さんが出ていらした。
いえ、そんな、わざわざ店長さんに対応していただくほどの者ではなく。内心、冷や汗がぼたぼた。
だが、さすがに三省堂という大手チェーンの店長さん。接客業のプロ中のプロ。ものすごく穏やかな、紳士的な対応をしてくださったので、こちらの緊張もすぐにほぐれました。
それで、取材も店長さんにお願いすることに。

1.こちらの特徴は?
デパートの中というと、普通は女性客が多いのですが、こちらは名古屋駅の上という立地もあって、ビジネス客も多いのが特徴です。休日は家族連れのお客様も多いですね。
最近は文芸書の単行本は厳しい状況です。東野圭吾さんとか村上春樹さんのようなネームバリューのある方は別として、たいていは文庫になってから読まれることになりますし。ですから、新しい作家さんが出て、文芸がもっと活性化するとよいのですけど。
Img_0529    全体に昔の方が読まれていましたね。読むのがステータスだったですから。「おまえ、まだ太宰も読んでないのか」と言われたりしましたし。
2.この店ならではのヒットなどはありますか?
本屋大賞の候補にもなっている夏川草介さんの「神様のカルテ」という本があるのですが、これがコンスタントに売り上げ1位をキープしているんです。東野圭吾さんの新刊が出るとそちらが1位になるのですが、しばらくするとまた「神様」に戻る。おそらく作品がこのお店のお客さまにあっているんでしょうね。ここ数ヶ月、ぶれなく売れています。
3、書店員ならでは、と思う役得は?
わりとサイン会とか講演会をやらせていただくことが多くて、いろんな作家さんとお会いしまImg_0530_2 した。それで面白い話とか、逆に書くときの精神的な辛さなど、伺えたことでしょうか。お会いした作家さんのなかでは、東野圭吾さんがすごくかっこいい方で、印象に残っています。
4.接客で印象に残っていることは?
やはり、お褒めいただいたときのことでしょうか。あの店員さんにやってもらいたいと言われると嬉しいですね。
接客ということでは、ほかの業種がやっているように、自分が接客したお客様に葉書を出すなどしてもいいかな、と思ったりしています。百貨店にある店ですし、ポイントカードをやっていたりするので、顧客データもありますから。
本というのは、どこでも同じ値段で同じものを売っていますので、お店としての特色を出していかなければ、と思います。見せ方も切り口とかテーマで工夫していかないと。本ほど多品種小ロットな商品はありませんし、黙っていても品物が入荷される。そういう商材はほかにはありませんから。その分、頑張らないといけないと思います。
5.これからやってみたいことは?
芥川賞候補にもなった大森兄弟が一宮出身なんです。彼らだけでなく、愛知出身の作家さんもいろいろ活躍されていますから、地元作家をプッシュしていきたい。それから、名古屋発というヒットを作って行ければと思います。

やー、敷居を高くしていたのは、私の心だったのですね。お忙しいにもかかわらず、とても丁寧に応対していただきました。おまけにサイン本まで作らせていただいて。ありがたいお店です。
私が子供の頃にはなかったお店なので、実はじっくり見たのはこの日が初めてなのですが、ワンフロアで店内の移動がラクだし、ジャンルごとの棚の配置がわかりやすいし、通路の幅も広い。レイアウトが巧みなのか、実際の坪数以上の広さを感じる。大型書店だと、本がありすぎてかえって選びにくいのだが、この書店の場合、力を入れている本は、ポイントポイントのフェアのコーナーにどっと積み上げるなど、書店の方針も伝わりやすい。だからヒットも生みやすいし、お客様も集まるのだろうと思う。私も名古屋に住んでいたら、やっぱりここに来ていただろう。加えて保守的な名古屋人に好まれる理由は、髙島屋と三省堂という2重のブランド力、さらに書店員の接客のよさもあるだろう。まず、書店員の数がほかより多いし、流しの著者にもわざわざ店長自ら応対してくださる対応のよさ。地の利だけでない、そうした書店の在り方が名古屋でトップの売り上げを生んでいるのだと思う。
お話に出た「神様のカルテ」が500坪以上ある店内のあちこちに山積みになっていました。私Img_0531 が訪れたちょうど前日に、著者の夏川さんが挨拶にみえたのだそうです。名古屋一売れるこの店で、ベストセラートップの快進撃を続ける。いったい、どれだけ売れているのでしょうね。何ヶ月も1位ということであれば千冊は軽々越えそう。万単位で売れていてもおかしくない。間違いなくこの店が、「神様のカルテ」を日本一売ったお店だと思います。
ところで、地元出身の作家をプッシュしたいとおっしゃっていた副田さん、私も地元作家ですので、ひとつ、よろしくお願いします、と、面と向かっては言えず、こんなところで呟いてみる。

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No24 鎌倉文庫 サンロード地下街店(名古屋市中村区)

Img_0516 で、13日は豊橋に行く日なんですが、その前に、名古屋駅近辺の店もちょっと訪ねてみることにする。
これも営業の竹田さんに奨められた鎌倉文庫からスタート。名古屋駅近辺、それも地下街。広すぎてわかりにくい。前にも書いたが、名古屋の中心は栄町、次に名古屋駅近辺。だが、真の中心はその地下街にある。
みんな、地上なんか歩いとれせん。地下の方が車も通らんし、冬は暖かいし、そりゃいいに決まっとるがね。
というわけで、地下街の店は繁盛している。なかでも、この鎌倉文庫サンロード地下街店は、わずか10坪しかないというのに、かつては名古屋一の売り上げを誇ったお店。この前社長さんにお会いした鎌倉文庫今池ガスビル店の系列のお店です。
Img_0520 朝10時頃伺ったところ、土曜日なので比較的、空いているというものの、名駅エリアマネージャーの伊藤幸信さんは品出しの真っ最中でお忙しそう。とりあえず、本を置いてくださっていることのお礼を言い、ついでに取材も、とお願いしたが、「うーん、うちはいいですよ」と、あまり気乗りしない様子。いえ、決して無愛想な方ではなく、ただ忙しいんです。でも、めげずにいろいろ話しかけているうちに、伊藤さんのお子さんが中京大の体育学科であることを知る。「中京大にも、取材に行ったんですよ。すごくいい学校ですね」なんて話から、だんだん伊藤さんの気持ちもほぐれてきたところで、なし崩し的に取材に移る。
いや、粘って、ほんとよかった、というのは後から思ったことでした。

1.こちらの客層は?
Img_0521 平日は通勤通学の方がメインです。だから、帰りの5時以降はほんと忙しいですね。土日に見えるお客様は、ここなら話題の本がある、と知ってみえる方が多いです。
2.でも、いわゆるベストセラー本ばかりじゃないですね(「サはサイエンスのサ」とか「平凡パンチの時代」「大正ロマン手帖」なんて本まで、10坪なのに並んでいる)。
この本なら、お客様が買ってくださるという勘が働くものを仕入れています。面白そうか面白くなさそうか、本屋は雑学王的なところがないと勤まらないので、いろんなジャンルをチェックしています。
3.今まで仕掛けたもので、印象に残っているものは?
このお店の場合、面白いように売り上げが伸びた時代もあって、日本で一番売れた商品もいくつもありましたよ。
Img_0522 だけど、個人的に一番記憶にあるのは、大友克洋さんのコミックス。タイトルはなんだったかな、もう覚えていないけど、まだ彼が一部の人にしか知られていない頃、通販メインで、書店は東京と大阪の一部にしか置かないという本が発売されたんですよ(おそらく綺譚社の「BOOGIE WOOGIE WALTZ」か?)。それで直接、編集部に電話して掛け合い、買取りで大量に仕入れしました。。当時はコミックも取次ぎを通していなかったので、なんとでもなったんですよ。上司の顔は引き攣っていましたけど、若かったから出来たんだと思います。でも、大量に売りました。岐阜や三重からもわざわざお客さんが買いに来たくらいですから。
雑誌で印象に残っているのは「JUNE」ですね。これも元はエロ系の雑誌の増刊として出されていたんですよ。当初は自販機にしか置いてなかったものを、これも版元に直接、掛け合って店に置くことにしました。これも、かなり売りました。しばらく、バックナンバーもずっと置いていましたよ。
Img_0519 今は取り次ぎが主導になって、全部取り次ぎ通しですから、ある意味、面白みがないですね。指定配本とかもありますし。だけど、取次ぎ通さず、継続的にペイさせていくことは難しいでしから、仕方ないです。
4.これからやってみたいことは?
返品率を下げたいですね。かつては、10%台、雑誌は7,8%という時代もあったんですよ。その頃は、坪効率日本一と言われていた時代ですけどね。まあ、ああいう時代はもう来ないと思いますけど、もう少し1冊1冊をじっくり売っていけるといいですね。

いきなり大友克洋さんの名前が出てくるとは思わなかった。地下鉄の人通りの多い店で、そんなマニアックな名前を聞くとは。おまけに「JUNE」。さらにびっくり。だって、私、確かに名古屋駅の地下で、「JUNE」の創刊号を見ましたもの。すごい本が出たなあ、と驚いて、買おうかどうしようかすごく迷って、結局買いませんでしたけど。でも、それは、伊藤さんの仕事だったんですね。まさか30年経って、そんな記憶が繋がるとは。
それに、本を出している綺譚社には、友達が勤めていました。大友さんとも1度お会いしたことがあります。JUNEの創刊編集長とは知り合いです。2代目編集長は友達の弟。いやまあ、繋がる繋がる。両方とも、こちらのお店ではなく、名駅地下の、別のお店に伊藤さんがいらっしゃった時代のお仕事らしいのですけどね。なんとまあ、世間は狭い。
それで、こういう書名を聞くと、伊藤さんというのがいわゆるオタク系の人かと思うでしょ?まったくそうではないみたい。普通の中年男性です。いわゆる雑学王で、感度のいい方なんでしょうね。現在の駅前店も、一見、駅周辺によくある、狭い店内にベストセラーと実用書、雑誌ばかり並べたお店かと思いきや、書棚に目を凝らすと「サはサイエンスのサ」(作者の鹿野司さんとは、編Img_0517 集者時代、一度だけ原稿をお願いしたことがある)と「天気予報学入門」が並べて置かれていたり、その数冊離れたところに「代替医療のトリック」なんて本があったり。「本の雑誌」と「ラジオ深夜便」が、少ない雑誌売り場の棚ざしの一番目立つところに置かれていたり。何気に深い品揃えなのだ。だからこそ、駅の乗り換えに利用するお客さんだけでなく、この店なら、とわざわざ来るお客さんもいるということなのだろう。

便利で深い、鎌倉文庫サンロード地下街店。名古屋の地下街に行ったら、覗いてみてください。狭い店なのに、意外な発見のあるお店です。

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NO23.ちくさ正文館本店(名古屋市千種区)

Img_0495 さて、名古屋の基本、ちくさ正文館だ。
「基本」と呼んだのは、らくだ書店東郷店の店長さんなんですが、ほかの書店さんからも、たびたびこちらをレスペクトする発言を聞く。それでまあ、こちらに伺うことにする。幸い、私の本も入荷してくださっているという情報は入っていたし、名古屋の書店を周っている以上、基本を抜かすわけには行かないし。幸い、かつて系列だった正文館本店の清水さんが、仲介の労をとってくださったので、店長の古田一晴さんを訪ねて伺うことにする。

Img_0498 ちくさ正文館。私が高校時代、教科書ガイドを買いに来たのは、実はこちらのお店ですね。外から見ると、ちょっとなつかしいような佇まいの町の本屋さん。そんな格式の高いお店には見えないのですが、表玄関を一歩入ると、この店の実力がすぐわかる。入ってすぐのところにある、一番目立つ文芸の新刊の平台には、大江健三郎さんの「水死」とか森まゆみさんの「海に沿うて歩く」とか吉村昭歴史小説選集とかが並んでいる。雑誌の新刊のコーナーにあるのがImg_0500 「西洋中世研究」だったりするし。それ見ただけで、帰ろうか、と思いましたよ、あまりに場違いで。すでに古田さんにアポを取っていなかったら、引き帰したかもしれない。よくまあ、私の本を入荷してくださったものだ、と思いました。
あとで知ったのは、奥の方には普通の文芸のベストセラーなども並んでいて、私の新刊もそちらの平台に置いていてくださっていました。正面玄関すぐの部屋は特別みたいなのですが、それにしても、すごいわ。

Img_0503 置いてある本の格調の高さとか、店全体が醸し出す知的な雰囲気に圧倒されつつも、店長の古田一晴さんを見て、さらにびびる。一癖もふた癖もありそうな個性的な風貌。それは間違っていなかったとあとでわかるのですが。
もっとも、さすがに接客業を長くされている方なので、突然、訪ねてきた無名の作家にも、やさしく応対してくださいました。

1.仕事で気をつけていることは?
いまの書店の状況は、従業員が人の3倍働かないとおっつかない。それでようやくとんとん。厳しい時代ですよ。ほかとの差別化とかはその先の先。うちの場合、中規模店だし、ジャンルに細分化した担当がいるわけでもないし、自分が雑役兼任で全体を見るという感じです。
うちの店は変わっているといわれるけど、非常にベーシックなことをやっていると思っています。面倒なことも手を抜かない。だいたい、芸術評論と詩の棚を見ればその店のことがわかりますね。そこが一番面倒なところだから、ちゃんとやっていないと繋がりがめちゃめちゃ。やってるところとそうでないところの差がはっきり出ます。
Img_0499 気をつけているのは、毎日こつこつ情報を集めることかな。何が流行っているかってことは、日経流通新聞とかを見ればわかる。だけど、本に繋がる情報は違いますから。取次ぎとか版元のFAXの情報なんかもほんの一部。いろんな情報に目を通し、人のネットワークを活用するということですね。そうですね、たとえば先日浅川マキが名古屋で客死しました。それを聞いて、すぐに石風社から1冊だけ出ている彼女の本を手配したところ、へたな新刊より売れましたよ。そういう風に、常時アンテナを張っているということですね。
うちの店は人文・文芸・芸術にジャンルを絞っています。それも、どこにでもあるものは置かない。児童書、タレント本の類は一切置かない。コミックはガロとか、アート系のものが置いてあるだけ。学習参考書もありません。駅近くに支店があり、そちらに学参、児童書、コミックスの類は大量に置いてありますので、それですみ分けしているんです。
うちの場合は、目的買いが多く、大学の先生とか司書の方にファンが多いんです。そうした方が学生を連れてきてくださる。だから、売り込みとかはしたことがないんです。
Img_0510 2.仕掛けて印象に残っていることは?
学参以外は一通りやりましたし、フェアもいろいろやったからねえ。
最近やったので印象に残っているのは寺山修司フェア。名古屋にいるコレクターから借りて、寺山の著書を展示しました。ほぼ全部揃いましたよ。
それから、田中栞さんの豆本フェアですね。田中さんの仕事をまとめて、田中さんの作った豆本とか蔵書票、ミニ版画なども展示しました。
3.印象に残る営業マンは?
歴史書懇話会とか人文会とかNRとか、今でもずっとみんな仲良くしているんですが、亡くなった筑摩の田中さんとか晶文社の島田さんが名古屋担当だった80年代前半頃が、本屋も一番元気だったんじゃないかな。その頃はブックフェアをそれぞれの店がオリジナルで競った時代でした。弘栄堂が火付け役になって、全国書店のブックフェア一覧を作って、ほかがやったらうちは違うものをやる、と思って頑張っていた時代です。
その頃から思うと、今のブックフェアはフェアじゃないですね。夏に文庫フェア、年末は「こImg_0512 のミステリがすごい」、それから直木賞、本屋大賞。パターン化している。あれでは駄目ですね。どこに行っても同じものが置いてあるから、かえって売れない。こういうフェアしか組めないというのは、本屋の企画力が落ちているということなんでしょうね。
4.よく行く書店は?
強いて言えば、家族と行くTUTAYAかな。春だったら旅の本、年末には手帳といった具合に、日常の季節感の出し方がうまいと思うし、一般層に売る売り方の参考になります。あとは、CDショップとか、むしろ本屋以外の店の方が参考になりますね。

うちの場合、売れ行きベスト10もめちゃめちゃですよ。加藤陽子さんの「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」が、ここ半年で4ヶ月くらいベスト1に来ている。まあ、そういった名古屋の知識層が、ほかの店に行かずに、まっすぐここに来てくださる。そうしたお客さんが来店して、目的の本以外にも刺激的な本を見ちゃった、また来ようと思わせる本屋でないと駄目ですね。常にインパクトのある店でないと。それに、いつまでも昔のお客ばかりを相手にしていては駄目。若いお客を得て次に繋げる、その材料を持っていないと。うちで言えば、「ゼロ年代の想像力」とか雑誌の「PLANETS」辺りの読者がそれだと思っています。ですけど、名古屋のほかの書店では「PLANETS」を置いていないんです。それもどうかと思いますね。

これからの書店は「人」じゃないかな。ある程度、時代の波が読めて、具体化できて、継続できる。それで明確なカラーが打ち出せる、そういう店は生き残るで しょうね。いまは厳しImg_0504 い時代だから、とただ愚痴っている人間と、そういう時代だから頑張ろうという人と、2極化されていくんじゃないでしょうかね。
うちは今年もBOOK MARK NAGOYAに参加します。それだけでなく、いろんなお店と年間通して連絡取り合って、チラシを互いに配ったり、ここで新しいことをやっているという情報を交換したりする。それぞれの店がカラーを持っていれば、いろいろ繋がっていくんじゃないでしょうか。

古田店長の話は面白く、気づいたらあっという間に1時間以上経っていた。その後、1階の売り場を案内してもらったら、実に楽しくて、ここでも小一時間が過ぎた。だって、ここの本棚、本当に見たこともない本が並んでいるのだ。人文系や芸術系の本には正直、あまり馴染みがないんだけど、ピンポイントで映画と音楽だけはなんとなくわかる。デビッド・リンチが一冊も置いていないとか、こだわりがわかる。実は古田店長、名古屋でも有名な映画人でもある。その繋がりで寺山修司フェアをやれたりするのだそうだ。
にしても、まったく見たこともない品揃え。ビリー・ワイルダー本は全部持ってるつもりだったがこれはないぞ、とか「ウィリアム・フォークナー研究」なんて研究書があって、そのシリーズの映画特集号(フォークナーと映画の関わりだけで1冊編んでいる)がわざわざ映画棚にあったりとかね。興味のあるジャンルで、知らない本がたくさんあると、こんなにもわくわくする気持ちになるんだ、ということを初めて知りました。こういう気持ち、忘れていたなあ。確かに、古田さんの言うように、最近の店はカラーが薄れているのかもしれない。
それから、ここの平台、フェアと新刊以外のところは基本的に1冊づつしか置いてありません。背を上にして立ててある。だから、見掛けよりも点数が多いんですね。それも、私の知らないような版元の名前がいっぱい。きめ細かい仕事というのは、こういうのを言うんだな、と思いました。

結局、5000円以上、買い物をして、意気揚々と帰宅しました。
今回の取材で、自分の趣味で本を買ったのはこれが初めて。買いたくなる理由は、ここでしか手に入らない本があるから。ここで出会ったからには、買っておかねば、と思わせる本があるから。
実は都心の大型書店に行けば、それらの本は1軒で全部揃うのかもしれない。だけど、ちくさ正文館のセレクトだから買っておきたい、という気持ちが確かにある。この店の、正面入り口入ってすぐの部屋にある本は、全部が特別にセレクトされた本、どうでもいい本は1冊も置いてない、と思わせるのだ。
実は、そう思わせる力こそ、ちくさ正文館の底力。「名古屋の基本」であり続ける理由ではないだろうか。

びびらずに、行ってよかった。すごく楽しかった。古田店長、長い時間、ありがとうございました。今度、帰省するときに、また寄ります。今度はお客として遊びに来ますので、その時はよろしく。

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No21 鎌倉文庫 今池ガスビル店(名古屋市千種区)

さて、今日からはひとり営業。心細し。
おまけに、最初から鎌倉文庫の本店にあたる今池ガスビル店で、 社長さんにお会いすることを営業の竹田さんから奨められる。
Img_0485 鎌倉文庫って言ったら、名古屋の中心栄町の、そのまた中心(名古屋の真の中心は地下街である)のサカエチカのど真ん中(つまり名古屋のヘソに位置する)のクリスタル広場に面したお店とか、名古屋駅の地下街で、かつては坪単価日本一と謳われたお店とか、名古屋近辺で合計10店舗展開している地元じゃ有名な書店チェーン。子供の頃、よくサカエチカの鎌倉文庫で私も立ち読みしましたよ。その社長さんっていたらねえ。偉い人じゃないですか。竹田さんは、
「大丈夫ですよ、気さくな方だから」
とおっしゃるけど、そんなエラい人じゃなくてもいいです。というか、むしろ現場の人がいいです、と思ったんだけど。

地下鉄今池駅の10番出口に直結しているという、超便利な立地のお店。方向音痴の自分でも迷わず行けました。それで、お店に入ってレジの人に、
「副店長の知行さまか、宮川社長さまはいらっしゃいますか」
と、あえて副店長さんのお名前を先に言ってみる。この期におよんでも、できれば社長さんを避けたいという姑息な心理。しかし、
「私です」
と、応えてレジから出て来て下さったエプロン姿のおじさまこそが、宮川社長その人だった。うっひゃー、さっきまでレジ打ちしているのを見ちゃったよ、社長さんなのに、ばりばり現場の人だー。

Img_0480_2 噂どおり気さくな方で、こちらの取材も受けてくださるというので、バックヤードで取材をさせていただくことに。
1.仕事で気をつけていることは?
店ごとに特色が違いますから、売れるものも違います。店ごとの特色を出して売るということですね。
この今池店については、とにかく飽きさせないようにしよう、ということです。常連のお客様も多いので。
それから、エンターテインメントに徹しようということですかね。近くには専門書に強いちくさ正文館もありますから。もっとも、この地区の方は知的水準が高い方が多いので、人文書とはいかなくても、固めなものも売れますよ。哲学系とかもわりと売れる。ちくま学術文庫みたいなものでも、平気で売れるんですよね。お年寄りじゃなくても、若い人でも結構、買って行きます。一方で、このあたりには中国人の留学生も多くて、TOEICの本なんかもすごく売れるし。結構、ばらばらですよ。
Img_0481 だけど、ほかの店のように、ひとつの本で100冊いっぺんに仕入れるとかはできないので、本にコメントつけたりして丁寧に売っています。そうすると、やっぱり動きますから。もっとも、自分がほれないと、コメントはつけられないですけどね。この店の単行本はもちろん自分でつけていますよ。
2.書店をやってよかったと思うことは?
書店経営は今は苦しい時代ですね。だけど、本がもともと好きなので、社長じゃなかったら楽しいかもしれません(笑)。だけど、商材としては非常に好きです。だから、飽きないし、30年以上やってこられたのは幸せなことだと思っています。
具体的に、よかったことと言ったら、やっぱり素敵な人と会えるということじゃないですか。Img_0484 70になってもかっこいい方とか、80過ぎても新しい知識を貪欲に吸収しようという方を見ると、年を取るのも捨てたもんじゃないな、と思います。
3.お客さんとのかかわりで印象に残っていることなどはありますか?
お客さんといっても、本当に千差万別で、カバーが欲しい、しおりが欲しいとおっしゃる方がいるかと思えば、要らない方は袋まで要らないとおっしゃる。この人がああだから、あの人も、ということが通じない。書店の場合、アパレルのような長時間の接客じゃないから、一瞬で判断しなければなりませんし。だけど、だからこそ、この人に聞けば一番だ、とお客様に思われるような店員にならなければだめ だと思いますね。
Img_0486 こちらのお店はターミナル店ですけど、固定客やリピーターが多いんですよ。毎日来るお客様もたくさんいるし、3日にいっぺんやってきて文庫を3冊づつ買っていくような方もいらっしゃる。すごいなあ、と思います。この商売は、そういう方たちに支えられてると思います。
4.印象に残る営業マンは?
辞められて10年くらい経ちますけど、日本ヴォーグ社の営業だった方とは、今でもおつきあいをさせていただいています。
文芸では新潮社とか集英社の方と、年は離れているけど気が合います。とにかくこの本を売りたい、と一生懸命な方とは合うんだと思います。
Img_0482 5.将来的に、やりたいことは?
これからの時代、書店がどうなるかはわかりません。マニアックなもの、すごく高級なものになるかもしれない。粗製乱造、とにかく出せばいいというような本が淘汰されて、よい本をきちんと売りたい。ヨーロッパの映画に出てくる書店のようにセレクトされた本や特化した本を並べて売って、それでもちゃんと商売になる、というのが理想ですね。

それに、宮川社長、現場の第一線でもばりばり働いていらっしゃる。POPまで自ら書くというのは、ちゃんと当たらしい商品に目配りしていないとできないことだろう。これで、社長業はいつなさっていらっしゃるんだろうか、なんて思うのは大きなお世話ですね、はい。だけど、いつまでも現場に立って、現場を大事にしている社長さんは素敵だ。そういう社長さんがいる書店だからこそ、鎌倉文庫は私が小さい時のまま、ずっと同じ場所に在り続けているんだろう。
Img_0483 ここに来るお客様は、丸善の紙袋を持った方が一番多いのだそうだ。栄の丸善ではそこでしか買えないものを買い、こちらのお店で買えるものはこっちで買おう と思われる方が多いのだろう。そういうお客様の気持ちはわかる。都心の大きな店で珍しい本を買ったとしても、地元で買えるものは地元で買おうと思うのが、 書店好きの共通した心理だろう。だって、地元のお店も大事だもの。で、この書店激戦地区の千種区にあって、そう思わせる鎌倉文庫は立派だ。固定客が多いと いうのが、何より本屋の底力だと思う。

今池で遊んで、ふと時間が空いたら、あるいは今池近辺で待ち合わせるとしたら、このお店をご利用ください。便利で、わかりやすくて、岩波新書が妙に充実しているお店です。

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NO20 本の王国 野並店(名古屋市天白区)

Img_0478 さて、一日付き合ってくれた友人の和美と別れて、地下鉄野並駅の近くの「本の王国」野並店へ。こちら、実は実家の最寄り駅だったりするのですが、こんなすばらしい本屋ができたということを知ったのはつい最近。昔は10坪ほどの野並書房以外、野並に本屋はなかったよ。こんな立派な本屋があるなんて、今の住人はなんてうらやましい。

だけど、残念ながら文芸担当の方がお休みで、お話は伺えませんでした。でも、私の本はImg_0470 ちゃんと目立つところに平積みにされているし、文芸には力を入れている感じのお店でした。「さよならドビュッシー」や「トギオ」や、宝島文庫を大きく展開しているのは、ミステリが売れるからなんでしょうか。そのほか「心の持ち方50」というのも、たくさん面出しになっていましたけど。
残念、聞きたいことはいろいろあった。機会があったら、ここにはまた来たい。

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No19 精文館書店 荒尾店(愛知県東海市)

Img_0454 さて、友人和美とドライブで周る尾張書店旅、最後は精文館荒尾店。この辺は和美に土地勘があるので、比較的ラクに着きました。でも、この辺、ドライブしていると面白いですね。東海市に入ったとたん、あたりの景色が田園風景から都市に変わったりして。車で行かないと、そういうことはわからないものです。

さて、こちら精文館書店荒尾店。以前、中島新町店の久田さんにImg_0457 ご紹介いただきました。まだ20代で店長、しかも「うちのお店きっての優秀な書店員」だという磯野さん。久田さんが「事前にブログを読んで研究しておいた方がいいですよ」と脅したらしく、少し緊張されている様子。いえ、実はこちらも出来る書店員さんオーラを感じて、内心びくびくだったんですけど。
1.仕事で気をつけていることは?
店長なので、やはり楽しく働ける環境を作るということが一番ですね。それから、売れ筋の一般的なものを積んで置くのはもちろんですが、常連の、あの方はお好きだろうと思う本はよく見えるところに置く、みたいなピンポイントなこともやっていたり。
2.接客で嬉しかったことは?
お客様が探されている本を見つけた時です。先日、お客様が「かえるの、かえるの」とだけおっしゃったのですが、なぜかひらめいてかこさとしさんの「おたまじゃくしの101ちゃん」をお持ちしたところ、どんぴしゃりだったので、嬉しかったです。
それから、これはみなさんやっていらっしゃることだと思いますが、問い合わせされた本だけでなく、関連書籍を何冊かお持ちししたところ、気に入っていただけて、最初の予定以外の本も買っていただいたりすることですね。
Img_0458 3.印象に残る営業マンは?
そうですね。JTBの方とか文理の方かな。「磯野さん、最近、きれいだね。恋をしてるね」とか、いつもユニークな挨拶をされます。
あと、悪い意味では、こちらの顔を絶対に覚えてくれない方とか。「店長さんはどちらに?」「私ですけど」「失礼しました。では、名刺を」「いえ、もらってます」という会話を何度も繰り返す方もいらっしゃいます。
4.書店員になったきっかけは?
うちの母親が小学校の国語の教師をしていまして、絵本が大好きで、私たち兄妹が小さい頃、よく読み聞かせをしてくれたんです。それも、普通に読むだけじゃなく、兄妹4人を、絵本の登場人物になぞらえたり、節をつけて謳うように読んでくれたり。それだけでは飽き足らなくて、そのうち自分で絵本を作ってくれました。私が小さい頃、忘れ物が多くて、お気に入りの帽子をバスに忘れて、市バスセンターまで取りにいったことがあったんです。その時のことを「まあちゃんのきいろいぼうし」と言う絵本にしてくれたんです。それも、最後に落し物箱を開けると、中から黄色い帽子が出てくるという仕掛け絵本だったんです。それがすごく嬉しくて。それから、本を届けられる仕事をしたいなあ、と思ったんです。
もっとも、母はそんなことを知らなくて、「教員養成大学に行ったのに、どうして教師にならないの」と言われましたけど。
Img_0459 5.書店員になってよかったと思われますか?
ええ。よかったと思います。楽しいですよ。
一番、楽しいと思うのは、新しい本を最初に手にとって見られることかな。
6.好きな書店は?
実家の近所の梅森書店です。緑区と東郷町の境目辺りにある小さなお店なんですけど。子供の頃から立ち読みをよくしていて、ハタキを掛けられたりしました。店主の梅森さんが品出しから何から一人でやっていて、配達までされて。小さいですけど、品揃えがよくて、気に入っています。
Img_0464 あとは、なくなってしまった桶狭間書店。基本的に小さな本屋が好きなんです。大きくて、広くて、きれいなお店は、仕事で見ているからいいじゃないか、と思ったりします。
7.これからやってみたいことは?
開店店長を一度やってみたい。もてる限りの知識と体力を費やして、好きなように棚を作ってみたいですね。

凛とした雰囲気の磯野さん。てきぱきと質問に答えてくださいましたが、書店員になったきっかけを尋ねると、途端に目を輝かせて、子供の頃の思い出を楽しそうに語ってくださいました。素敵なお母様だし、磯野さんご自身も本当に絵本がお好きなんだな、ということが伝わってきました。だけど、そのきっかけを作ったお母様ご自身が、自分の影響力をご存知ないとは。うーむ、残念。おかげでこんな素敵な店長さんになっているのに。
Img_0460 個人的なことですが、私も「教員養成大学に行ったのに、教師にならなかった」クチなので、すごく親近感を覚えました。そういう学校に行くと、教師にならないことって、大きな決断がいるんですよ。親にも嘆かれるし。でも、学校より本が好きだったんですね。その気持ち、すごくわかる。なんて、ほんとに個人的な共感なんですけど。

そんな頑張り屋の磯野店長をはじめ、美人スタッフが笑顔で出迎えてくれる精文館荒尾店。コミックと文庫が充実しています。お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ覗いて見てくださいね。

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No.17いまじん碧南店(愛知県碧南市)

さて、今日からはまた遠出する。友人の和美が再び車を出してくれることになった。
碧南、知立、荒尾。
Img_0428 同じ愛知県内、三河までは行かないが、ふたりとも初めていくところばかり。まったく見当がつかない。和美の車にはカーナビが搭載されていないので、地図を見ながらの旅。地図の読めない女にして猛烈な方向音痴の私、碧野がナビだから、心細いことこのうえない。
もっとも、和美はちゃんと前日に予習をしていてくれたので、大丈夫のはずだったんだけど、やられました。国道23号線。和泉インターチェンジの標識がない。あとでわかったのは、工事中で標識が隠れていたんだね。ちょっとひどいんじゃないの。みんなカーナビつけているから大丈夫だと思っているんだろうか。だいぶ先まで行って引き返し、適当なところで高速降りて、4人ばかりに道を尋ねてようやく辿り着きました、いまじん碧南店。

Img_0430 そんなしんどい思いをしても、ここには行った甲斐がありました。
磯部雅弘店長。この方ともうひとり、今日はお休みだった杉浦智世さんのおふたりが、フリーペーパーに協力してくださった、そのお礼をしたかったというのが来訪の一番の目的だったけど、それ以上に、磯部店長のお話はいろいろ勉強になりました。これだけでも、今回の名古屋営業に来た甲斐がある、と思ったくらいだ。
お店は一見、普通の郊外店。170坪の書籍スペースに50坪のCD売り場を併設。ファミリーや学生が多く集まりそうな店。
1.仕事で気をつけていらっしゃることは?
データをあてにしない、ということですね。自分たちの目で見て、装丁力とか帯のコピーとかでひらめいたものを平台で展開するようにしています。
それから、お客様の言葉に耳を傾けるということですね。たとえば雑誌などの場合、女性のお客さんに聞かれるので増やしたものはたびたびあります。思っている以上に女性のお客様は「ここにある」ということがわかると口コミで伝わるようですね。
もっとも、取次ぎの数字は2から3に増えることはあっても、2から10ということはなかなかないんですね。そういう時は、2,3ヶ月黙ってこうしてくれ、と伝えます。それで数字がだんだん上がっていく。
Img_0434_2 僕は3ヶ月か4ヶ月に1度は東京の取次ぎの担当者に、直接交渉に行くんです。電話のやり取りだけでは姿が見えないし、営業さん経由ではなかなか聞いてもらえない。継続してやっているので、いまでは東京に行くと「ようこそ、今日は何があるんですか?」と言ってもらえますよ(笑)。
もっとも10ある案件のうち増やしてくれというのは、せいぜい2か3。あとは減らしてくれ、というものですね。それで返品率が下がっているから聞いてもらえるんだと思っています。
僕は数字は作るものだと思っているんです。ただ送られてくるものを受け取るのではなく、いらないものについては「これは不要です」と言わなければ、と思います。僕はそれを非常に多く言う。圧倒的にそっちの方が多いのです。
最近では商品が増えて、たとえば年末になると年賀状の本などすごく多くて、お客さんは選ぶのに苦労している。出た商品のすべてが置いてあるのがいい本屋かと言うと、そうではない。お客さまは4つか5つ選択肢があればそれでいいんだと思うのです。
うちは狭いというのもあるけど、自分の中でベストと決めたものを棚に2種類置くというようにしています。いらないものはおかない。たとえば岩波新書は注文以外、入れない。人文専門書も置かない。無理なものはごめんなさい、としている。だから、お客様の上2割とした2割は、ここではまかないきれない。専門書とかを必要とするような上2割の方は無視するしかない。
Img_0433 あと気をつけているのは、レジ前の商品を大事にするこということです。本屋は商品に目を向けさせ、手にとってもらうことが大事ですから。今展開しているのは手相の本。実用書の方に置いてあったのですが、去年から異常な動き方をした。それでレジ前に持ってきました。占いの中でも手相は男女問わずいろんな年齢の方に合っているようですね。
2.印象に残る営業マンは?
日販の吉島さんですね。今は首都圏営業のトップになられた方なんですが、この地区に赴任された時、名古屋の本屋に直に足を運ばれた。課長ひとり連れて、土曜半日使って周られるんです。やっぱりそういうことをされる方だと説得力がありますね。
最近では版元の方でも、店を見ずにデータだけでものを言われる方が多いですね。だけど、現場を見て、今の時期にこれを入れたら駄目だ、とか、これの隣にこれを置いた方が いいとか、見た感想をこちらは言って貰いたいんです。現場に足を運んで、これとこれは不要、これを返してこれを置いてくれ、と言うならわかりますが、ただ置いてくれというのは駄目ですね。
今は出張費も削られて、東京から来た人はなかなかここまでは回れないみたいですけど、営業さんはいろいろ情報も持っていますし、こちらもアドバイスしてほしいんです。
僕はここまでみえる営業さんには、熱意があればあなたに棚をあげるよ、というんです。まあ、ワンスパン分くらいなら空けられますからね。それで、あなたがベストと思う品を置いてみて、というんです。それで、実際に並べると、なかなか売り上げは思っているのとイコールにはならない、そういうこともわかってほしいんです。だけど、営業さんも転勤が多くて、やり始めたらすぐに担当が変わったりするので、なかなか定着はしないんですけど。
3.意識している書店は?
東京に行くと寄るようにしているのは、立川のオリオン書房さん。高田専務と昔から親しくさせていただいているのと、本の並びをチェックさせていただいています。
それから、上野の明正堂書店。それほど広くないけれど、こちらは全国で一番売った文庫というのをたびたび出している。千冊とか売ることもある。すごく参考になります。
あとは東京駅の丸善。こちらは各出版社が商品を展示しているコーナーがあるので、その時、推している商品、売りが何かがわかるので。
Img_0436_2 4.接客していてよかった、と思うことは?
お客様に、普通にありがとう、と言われるときですね。あたりまえのことですけど、他人を喜ばせるような人間でありたい。何かの本で、子供を教育する時、「ありがとう」と言え、とは教えるけれど、「ありがとう」と自分が言われることをやるのが大事だと書いてあったんです。なるほどなあ、と思いました。「ありがとう」と言われるような行動は、自分で意識しないとできない、それができる人間になるのがベストだ、と。その行動にマニュアルはない。それを考えることが大事なんですね。
本屋の場合、たとえばお客様に本を尋ねられて、1冊しかない本を棚から出してくる。すると「よく探せるね」と言われる。「ここにありますよ」「すごいねえ、ありがとう」そういうやりとりが自然にできるようでありたい。
これくらいの規模だったら、どこに何があるか、全部把握できる。たとえば、自分が外出しているとき、留守番しているバイトの子から問い合わせが入る。「その本だったら、レジから2番目の棚の上から3段目になければ、置いていない。取り寄せになる」と、即座に言えるわけなんです。これ以上大きかったら、それは無理ですね。これくらいが限界ですけど。
Img_0431_2 5.これからやってみたいことは?
ささやかな望みなんですけど、5年後10年後もこの店を継続させたい。この規模の店が生き残るのが今は一番難しいですから。でも、都心の大型店だけでなく、地域には身近に利用できる店も必要だと思うんです。子供たちなどは、身近なお店が大事ですからね。
もっと大きな店に移らないかと言われることもあるんですが、このくらいの店で管理しているのが僕は一番楽しい。あらゆるジャンルが見られますからね。一部では面白くない。大型店に移りたいとはまったく思わないですよ。

いらないものは置かない。目から鱗の言葉でした。これだけ出版点数が多くなると、本屋もいらないものを断る勇気が必要だ。いろいろ置くことよりも、ある程度選択を狭めて、選びやすくすることが逆にサービス。上2割のお客様はうちでは相手にしない。
地方の中規模の書店が生き残るためには、そういう決断が必要なのだろう。わざわざ東京の取次ぎまで出掛けるその行動力にも驚くが、それで話が聞いてもらえるのは、やっぱりそれで返品率が改善されているからなのだ。本屋の利益を上げるというと、ついヒット作を作るということに目を向けがちだが、実は返品率を下げることも大事なのである。むしろそういう地道な努力の方が、継続的かつ効果的なのかもしれない。

にしても、5年後、10年後もあり続けてほしいお店です。そんな風に地道に努力しているお店が続けられないとしたら、やっぱり今の状況はおかしい。
磯部店長は「自分が子供だった時のことを考えると、お小遣いを握り締めて都会の大型書店に行く、というイメージがわかないんです」と言う。そうなのだ。行動範囲の狭い子供にとって、身近な本屋というのはとても大事だ。自分自身もそうだったが、身近な店に置いてあった本が、将来のその子の趣味にも影響することだってある。都会の大型書店はもちろん素敵だ。だけど、身近な地元のお店だって大事だ。磯部店長はじめスタッフが頑張っているこのいまじん碧南店が、いつまでも続くように、と願ってやまない。

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白川さんのこと

営業記録の1軒目のところで、私が「ブックストア・ウォーズ」の取材のために、オリオン書房ノルテ店に3日ほど研修したことを書いた。その時、指導係としてついてくれたのが、白川浩介さんだった。彼がいわゆるカリスマ書店員(そう呼ばれることを、本人は嫌がっているが)と呼ばれる人だ、という事はなんとなく知っていた。でも、書店業界の右も左もわからないその頃は、白川さんというのは本好きの、気さくなお兄さん(私よりうんと若いが)という感じだった。業界の人だったら、白川さんに3日といえど、教えを乞うことができたことをうらやましい、と思うのだろうが、何にも知らない私には、猫に小判、馬の耳に念仏状態だった。

私が、どれくらい書店のことを知らなかったか、というエピソードがある。研修の3日の間に、レジの仕事、検品、雑誌の付録をつけるなど、一通りの仕事をやらせてもらっていた。あるとき、検品の終わった本がレジ横に置きっぱなしになっているのに気がついた。
「私、これを棚に出しておきましょうか?」
何かやりたい、役に立ちたいという一心でそう尋ねると、白川さんは一瞬、すごく複雑な顔をしたが、「いいですよ」と、おっしゃった。まあ、ここまで読んで、この先の展開がわかる人にはわかるだろう。
私は3分も経たないうちにギブアップして、白川さんのところに戻ってきた。
「すみません、できませんでした」
白川さんは、ほっとしたように、あるいは私が理解したことを理解した、という顔でにっこり微笑んだ。

そうなのだ。本屋の本棚にはぎっしり本が詰まっている。1冊棚に入れようとすれば、1冊出さなければならない。だが、じっとにらんでも、どの本が不要でどの本が必要か、さっぱりわからない。そもそも、オリオン書房の文芸の棚は、著者名のあいうえお順に並んではいない。だから、何をどう並べたらいいのか、部外者には理解不能だったのだ。
この時、初めて私は書棚の本の並び方には、それぞれ担当者の個性がある、ということを知ったのである。さらに、その棚の並べ方で、書店員の見識とか実力が測られるものだ、ということは、しばらく後になってから知ったことだった。

「本を並べる順番はどうやって決めているんですか?」
「そうですねえ。勘というか」
白川さんからもはっきりした説明は得られなかった。おそらくその棚その棚で白川さんなりの基準というものがあるのだろが、うまく説明できない感じだった。
その時、いろいろな話を伺ったと思うのだが、記憶に残っていることは残念ながら少ない。メモを取っておけばよかった、とつくづく思う。ひとつはっきり覚えているのは、白川さんの場合、いい本で絶版になりそうなもの、絶版が決まったものは、ひそかに集めておく、と言われたことだ。時に、絶版と目録に記載されていても、倉庫の奥から出してきてもらったり。だから、版元にはなくても、オリオンの棚にはある、という本もいくつも混じっているらしい。これは素人でもわかるすごいことだった。ほかの人にはなかなかできないだろうということも見当がついた。当時取材したリブロの矢部潤子さんが、「今、文芸で一番勢いがあるのはオリオンの白川さん」とおっしゃっていたのは、こういうことの積み重ねなんだろうな、と思った。
しかし、それは、白川さん自身の知識と行動力、版元営業とのコネクションだけでなく、オリオンという店舗の大きさ、店の方針、さらにはそれを許す石黒店長や上層部の度量がなければ成立しない(在庫をそれだけ抱えることになるから)。それがわかったのは、もうちょっと経ってからだった。

ほかにも、白川さんの言葉ではっきり記憶に残っていることがある。それは、
「ヒット作を作ることは簡単だ。それより、お客さんに再来店してもらえることの方が難しい」
たぶん、これは酒を呑んで酔っ払っておっしゃったことだと思う。本屋大賞の仕掛け人の一人とも言われている白川さんが言うと、奢っていると取られかねない言葉だから。むしろ、普段の白川さんらしくない発言だから、強く印象に残った、とも言える。
だが、彼の名誉のために言っておくと、彼が言いたかったのは後半部分だ。それほど接客とは難しいものだ、ということなのだ。書店というのは、お客さんに足を運ばせてなんぼだ。コンスタントに売り上げを立ててなんぼ、なのだ。
これは、私自身が書店小説を書くうえで、とても参考になった。というか、そういう見方が小説の出発点となった。たぶん、このブログを書くうえでも、それは現れていると思う。
白川さん自身は、自分がカリスマ書店員と呼ばれることも、本屋大賞の仕掛け人と持ち上げられることも、とてもクールに捉えている。
「たぶん、今、カリスマ書店員の推薦と言うやり方で売ることが流行になっているから、そうなっているんでしょう。そこで自分たちは踊らされているだけです。まあ、踊って売れ行きがよくなるのなら、それでもかまわないですけど」
「本屋大賞だって、いつ手放してもいいと思っている。自分たち以外の人で、ちゃんと運営してくれる人がいれば、それでもかまわない。もちろん、やれる限りはできるだけ頑張りますけどね」
一見、ドライとも思えるそのスタンスだが、私にはよく理解できた。案外、ものごとの中心にいる人はそんなものだ。編集者として幸いにもその業界のトップと言われる人に会うこともあったが、そういう人たちはみな共通している。仕事を一生懸命やった結果、たまたま人から評価されるようなことになってしまっただけで、評価されることが目的ではない。だから、評価されることに対しても幻想を持っていない。

こうして書いてみると、やっぱり「ブックストア・ウオーズ」には白川さんに触発されたことがずいぶん入っているんだなあ、と思う。主人公のひとり、理子というのはまぎれもなく白川さん的な考えの持ち主だ。
実は、白川さんとの関わりについては、これまであまり言わないことにしていた。隠してきたわけでもないが。「ブックストア・ウオーズ」のために取材したお店を公にはしない、というのが新潮社の方針だったし、純文学や海外文学に造詣の深い白川さんの好みと私の小説はあまりにもかけ離れているので、私と親しいことを知られることが、彼のプラスになるとは思えなかったのだ。さらに、本屋大賞のスタッフでもある白川さんと関わりがある、ということについて、他人からいろいろ誤解されかねないだろう、と思ってもいたし。本屋大賞狙いとかね(まさか、そんなことくらいで、全国書店員の投票で決まる賞が影響受けるなんてありえないことなんですけどね)。
でもまあ、そろそろ時効だろう。それに、白川さんも文芸から人文に担当が変わられたことでもあるし。

今回、いろんな書店をめぐって、いろんな書店員さんに触発されている。それを記していくことはとても楽しい。私自身はライターだったこともあるから、取材原稿は原点に戻ると言う気がする。小説とはまた違った楽しさがある。
だが、だからこそ、白川さんに触発されたことも書いておきたかったのだ。そこからすべてが始まっている、という気がするから。今回お会いする方たち以上に、私がいろいろ教えていただいた方だから。
それに、たぶん書くということが、物書きである私にとっては白川さんにしていただいたことへの最大の感謝の方法だと思うのである。

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No15 本の王国ほら貝店(名古屋市緑区)

Img_0409 ここは、営業の竹田さんにさりげなく訪問することを奨められたお店。実家から比較的近いとは言うものの、なぜこのお店? 車がないと、絶対行けないよ、と思っておりましたが、友人の雅美のおかげで周ることが可能に。

お店は250坪ほど、店内明るくてぴかぴか。コミックの充実が目に付くけど、文芸については突出していると言う感じでもない(でも、私の本はちゃんと平積みになっていましたけど)。
竹田さんの推薦理由が磯田順子さんとお話をしてわかりました。つまり、磯田さんに会え、ということだったんだね。

Img_0410 1.仕事で気をつけていることは?
この店は土日に商品が動くので、ほかの曜日に新聞広告が出たり、電車の吊広告が出たものでもその日に求められる方が多いのです。なので、そのチェックを怠らないように気をつけています。
それから、ここは学校が近いので、子供の本、たとえばアスペルガー症候群のような子供の障害の本が動きます。それから、老人ホームが近いということもあり、介護関係の本がよく売れます。そのあたりを切らさないようにしています。
Img_0413 2.こだわっていることは?
一冊一冊を大事に売っていこうということですね。売れてるものを多く仕入れて、たくさん平積みにして、動かなくなったら見切る。商売としたらそれが正解かもしれないですが、人間の心理として多くあると、後で買おうとか、まだいいや、とお客様は思われたりするんじゃないか、と思うんですよ。それに多く仕入れると支払いもたいへんだし、うちの場合は広告に載ったものでも届かないこともあるんです。だから、そうしたものに変わるものを提供していこう、と思っています。
Img_0412 3.接客をして、よかったと思うことは?
お客様に「ありがとう」と言われるようなコミュニケーションが取れたときですね。
先日、子供の英語の問題集を買いにみえたお客様がいたんです。塾に買うように言われたそうなんですが「いままでの問題集が全部、真っ白でねえ」と悩んでいらっしゃる。
それで、こちらからは「安くて薄いものから始めて、それができたら次のものに進まれたらどうですか」と提案させていただいたんです。商売としたら、高いものを奨めるのが正しいのかもしれませんが、お客様はその提案を気に入られて、感謝してImg_0414 くださって買っていってくださった。そういうときは嬉しいですね。
それから、本を触っていると自然と浅く広く知識が身につくので、人生相談されたりすることも多いんですよ。リストラされて困っているとか、病気や子供のことで悩んでいるというような。そういう相談にあったものをチョイスできたときは、やった、と思いますね。
4.印象に残る営業マンは?
こちらに通って来られる営業の方全員にいい印象を持っています。というか、ここは市の中心部からは外れていますし、いい方しか残らない気がします。
そのなかでもとくにいいな、と思うのは、自分のところの出版の良し悪しを把握して、ここが弱いということをちゃんと言える方ですね。そういう方は、よく勉強されていると思います。
5.書店員になってよかった、と思うことは?
さきほどの話と少しかぶるんですが、本を触っていると広く浅く知識が身につきますし、自分が知らなくても聞いたことがあったりするし、お客様のおっしゃることが理解しやすい。別口から仕入れた情報を提供したりすることもできる。それで、お客様の漠然としたニーズにも合った本をお渡しすることができるんです。そんなふうに、書籍と人の仲介、その間を取り持ったと実感出来たときに、一番、この仕事でよかったな、と思います。
6.いままでの仕事でうまくいった、と思うことは?
「ハリー・ポッター」を仕掛けたときですね。児童書で、高額商品ですから、どこのお店も最初は少なめに仕入れたと思うんですよ。だけど、若さもあって、大量に積み上げて1ヶ月もしないうちにはけた時はよかったな、と思いました。
これは、最初に出たときから、お客さんの注目度が違った。お客さんから発する気持ちが普通とは違う、というか。それにたまたま入った映画館で予告編を見て、映画もそれまでのものと違うと思ったし。それで映画の前に大量に仕入れて、仕掛けてみた。結果、うちの会社でもうちの店が一番、売ることができた。もっとも、最初の仕入れの金額を見て、上司は青ざめていましたけど。
このときは、宝くじに当たったような気分でしたね。
Img_0418 7.他店で好きなお店は?
店のスタッフに連れて行ってもらった、京都の恵文社一乗寺店はよかったですね。雑貨やCDも置いてあって、ギャラリーも併設されていて、本のセレクションもいいし、建物もすばらしかった。私は本屋はどこでもいっしょだと思っているんだけど、ここはノスタルジックな雰囲気で、とてもよかった。はじめていいな、と思いました。
8.書店員になったきっかけは?
本が好きでアルバイトからはじめたんですけど、私、実は書店員という言葉があまり好きじゃないんです。雑貨なりスポーツ用品なり、ほかの販売員はそんな風には言わないでしょ。書店だけ特別ってこともないと思うんですけど。
私、商売が好きなんです。それで、ほかのこともやったりしたんですけど、気がついたらここに落ち着いた。結局、本を売る商売に夢中になっていたってことですかねえ。
Img_0417 9.これからやってみたいことは?
そうですねえ。うーん、どうしようかな。(差し支えない程度でいいですよ、というこちらの問い掛けに対して)いいですよ、うちでは難しそうなので、ほかの方がやってくだされば。
今って、本が大量に出ているけど、なかなか売れない時代でしょ。それで、書店のあり方をいろいろ考えていて思いついたのは、うちのチェーンから作家を生み出せないかな、ということなんです。本の王国大賞みたいな、地域密着の小説コンテストを開いて、その大賞受賞作をうちのチェーンでだけ置くんです。取次ぎの流通には乗せられないかもしれないけど、ワンランク身近な、本の王国チェーンでだけしか手に入らない。
いま、どこの本屋さんでも同じ作家のものしか置いていないじゃないですか。だったら、商売抜きで、そういうことをしてもいいんじゃないか。そうやって地域の住民と本の橋渡しをすることもいいんじゃないか、と思うんですよ。そこから大ベストセラーが出たりしたら、愉快だと思うし。
うちじゃなくてもいいから、どこか、やってくれないかな。

うーん、実に面白い。都会の大型書店にはちょっといないタイプの書店員さんだ。書店員という言葉は引っかかるとおっしゃるなど、一見クールに見えるけど、根っこのところは熱い本屋魂がある。お客様のことを第一に考え、本を売ることの責任と喜びをしっかり持っていらっしゃる。こういう出会いがあるから、この取材は面白い。
本の王国大賞、ぜひやれるといいですね。その場合は、応募資格が緑区在住とかね。名古屋市とかとタイアップしてもいいけれど。
そんな磯田さんのいる本の王国ほら貝店は、絵本の読み聞かせ会や各種トレーディング大会も定期で実施されているそう。近隣の方はぜひ、のぞいてみてください。

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No14 未来屋書店三好店(愛知県西加茂郡三好町)

Img_0397 名古屋郊外には結構、多いショッピングセンター。東京はここまではないんじゃないだろうか。それとも、私が非自動車保有者だから、知らないだけなんだろうか。
ショッピングセンター・アイモール。雅美に言わせると、大きさとしては小規模なんだそうだが、それでも家族連れには便利ですよね。で、その2階にあるのが、このお店。こちらも店長さんがいらっしゃらなかったので、取材できなかったのは残念。

驚いたのは、150坪ほどのお店の右3分の1以上が、児童書や主婦向けの本で固められていたこと。圧巻ですねえ。ショッピングセンターが、いかに家族連れが多いのかがよくわかります。少子化の影響で、いまや都心の大型店でも児童書売り場は小さくなっています。いまどきの子供はどこで本を買うのだろうか、と思っていましたが、実はこういうところで買えImg_0399 るんですねえ。「母と子のおやすみまえの小さな話365」が平台ひとつを占領していたり、「はじめての通園通学バック」とか「名前つけはこれてOK」なんてムックが大きく展開されたり(当人たちには大問題なんですよ、名前付け。経験者だからわかるけど)して、なんかほのぼのします。
一方で、歴女対象の「乙女の日本史」や「戦国武女子、参る!」がポップつきで壁の目立つところにあったり、コミックの「彼岸」が大きく展開されていたり。ところどころ見える書店員さんのこだわりも楽しいお店でした。

拙著は1冊、棚差しでありました。中高生には向いている本なので、文芸ではなくむしろ児童書の方に置いてほしいと思ったりしましたが、店員さんに伝えられなくて、残念。

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No13 三洋堂 香具山店(愛知県日進市)

Img_0387 こちらも、雅美ズ・チョイス。
ここでもちゃんと拙著を平積みにしてくださっていた(ありがとうございます)、という目撃情報があったうえでの訪問だ。
だが、残念ながら、文芸担当の方はいらっしゃらない。写真撮影についても、大きなチェーンのお店(名古屋では最大規模)なので、権限のある方の承認を取らなければいけないらしいので、遠慮することにしました。

三洋堂さん。初めて入りましたが、すごく作りがわかりやすいですね。手前から奥に向かって長い長方形の敷地なのですが、その真ん中に広めの通路がある。その右手には通路に並行して雑誌の棚が、奥に向かって長く長く続いている。通路の左手は書籍の棚。通路に垂直に棚が並んでいる。棚ごとに文芸とか実用書、文庫、コミックというように分類化されている。棚の下の方に大きくナンバーが振ってあるから、どこの棚、と言われても探しやすい。この作りはすごくいい、と思いました。
Img_0390 それに、いわゆる郊外の大型店なので、品数も多く、売れているものは一通り揃っている感じ。いまの季節欠かせない直木賞受賞作を目立つところに展示して、しっかりバックアップもして。それでも、書店員さんのこだわりもちらりちらりと垣間見えて、たとえば、屋上ミサイルの文庫をあきらかに目立つように展示していたり。あるいは、レジ前すぐの棚で泣ける本特集をしていたのだが、「99のなみだ」や「涙が出るほどいい話」をメインに据えつつ、「ノラや」「100回泣くこと」「アルジャーノンに花束を」この辺はまだいいとして、恩田陸「光の帝国」「蒲公英草紙」。この、最後の恩田さんは、ぜったい担当者の趣味でしょう(笑)。いえ、私も大好きなシリーズですけど。
それとも、いろんなタイプの泣ける話を選ぼうとしていたのかな。

大きいお店だけに、ちらりちらりとそんなこだわりも垣間見えて、ちょっと嬉しくなりました。担当の方にお会いできないのが、残念でした。

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NO12 夢屋長久手店(愛知県愛知郡長久手町)

Img_0368 長久手。
愛知県のフィギュアスケート関係者にとっては、愛・地球博記念公園のスケートリンクがあるところ。
そんな事情をまったく知らないにも関わらず、友人の雅美がこのお店を選んでくれたというのは天の配剤か。
一見、郊外型のお店。よくある金太郎飴式の本の並びかと思いきや、入ったとたん、右手の壁に新聞の書評に紹介された本の特集があったり、各棚ごとにミニフェアを展開したり。郊外型というより、完全に都心の大型書Img_0386 店の感覚で飾りつけがなされている。ううむ。これはあなどれないお店だ。
そうした平台を手がけているのは社員の方なのだそうだが、この日はお休みということで(飛び込み取材はこれがつらいところ)、文芸担当の大須三保さんに取材させていただいた。本人の希望で、こちらは写真はありません。

1.仕事をするうえで、気をつけていることは?
この地域は新興住宅地で、大学もあるので、若いファミリー層や学生、比較的若い方が多いですね。だけど、もともとここに住んでいるお年寄りの方もいらっしゃいますから、どちらかに偏らないように、幅広く本を置くように心掛けています。
文芸担当としては、最近時代小説がぼちぼち来ているので、それを切らさないように、ということ。年齢層の高い方に人気があるものだけでなく、ネオ時代小説も売れているので、両Img_0373 方置くように、と思っています。
この地区のお客さんは、新しいものに敏感なんです。テレビや雑誌で紹介されたものの反応もよくて、私たちもわからない情報をよく知ってらっしゃるので、こちらも勉強が必要ですね。
2.接客で印象に残ることは?
あきらかに本屋なのに、雑貨売ってますか、とか鞄を売ってますか、と聞かれると、ちょっと困っちゃいます。
3.書店員になってよかったことは?
Img_0376 自分がやっぱり本が好きで、プライベートでもよく行くので、そこに関われるというのが一番ですね。本は雑誌も単行本も全部好き。そこから情報を得るのも大好きです。
4.これはうまくいった、という仕事は?
正式な発表の前に映画化の情報が入ったとき、その原作を事前に多めに仕入れてあたったときは、やった、と思います。最近では「おっぱいバレー」がよく動きました。
Img_0384_2 5.印象に残る営業マンは?
ここは市内から離れている地区なんですが、毎日のようにいらっしゃる方がいるんですよ。 担当が休みだと、翌日また出直す、というように。まめな方だな、と頭は下がります。
6.このお店以外で好きな本屋は?
フタバ図書TERAワンダーシティ店です。イオンショッピングセンターの中にある店なんですけど、買い物がてらよく立ち寄ります。Img_0375_2 広くて見やすいし、いついってもきれいに整理されている。それに、ワンタイトルで仕入れる数も多いんですね。それに、中古本やCD,DVD、ゲームソフトなども置いてあるので、お 客さんが多くて活気がありますね。
7.これからやってみたいことは?
無名の作家さんを、仕掛けてブレイクさせてみたいですね。

Img_0385_2 こちらのお店は、友人の雅美が個人的に訪れた時(私の本の宣伝をしてくれたのだが)、すごく感じのよい応対をされた、ということだった。なるほど、お店の店員さんたちがすごく仲良さそうな感じで、いい雰囲気を作り出している。それに、郊外の大型店なのに、美術書や洋書も置かれていて、都心の高感度のお店と遜色ない。さすが、大学街でもある長久手の書店だ、と感心しました。スケートリンクもあるし、うーん、うらやましいぞ、長久手住民。

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NO11 らくだ書店 東郷店(愛知県愛知郡東郷町)

Img_0357 9日は高校時代からの友人、雅美が車を出してくれた。一人娘の優希ちゃんが受験だというのに、「家でただ待っていると、かえって精神衛生上、悪いから」と言ってくれる。ありがたい、もつべきものは友、である。その好意にしっかり甘えてしまうことにする。
それで、今日は雅美ズ・チョイス。
これが素晴らしかった。外見からして一味違う。まるでお洒落なレストランか、喫茶店のよう。実際、喫茶店がお店に併設されていて、喫茶店に売っている本を持ち込んで読むことができるのだそうだ。
Img_0365 店に入ってすぐに植木とベンチの公園のような一角が作られ、その真ん中にはこんなコメントが。
「読書することは自分を磨き、心に艶が出ます。読書することは樹木が土から養分を得るように、人を大きくします。読書することは、いつでもどこでも誇りに思えます。そんなみなさんにらくだ書房は役立ちたいと思います」
丸善名古屋栄店もそうだったが、ポリシーのある書店である。
うーん、これは朝からテンションがあがる。わざわざ来てよかった。

Img_0359 応対してくださったのは、店長の小池明人さん。急な訪問にも、嫌な顔もせず、穏やかにお話してくださった。
1.仕事で心がけていることは?
250坪の郊外型のお店なんですけど、品揃えがどこの店でも変わらない、いわゆる金太郎飴にならないように、専門書も少し置いています。それから、自分の好きな児童書とか人文書では多少はこだわりのある本を混ぜたりしていますが、どこまで伝わっているかなあ(笑)。
2.書店員になってよかったと思うことは?
学生時代のバイトから数えると19年書店員をやっているんですが、良い仕事にめぐりあっImg_0367 たと思っています。本自体も好きだけど、本屋に入った感覚とかが好きで。バイト時代にレジとかやって、自分の本当に好きな本をお客さんが買ってくださるのが嬉しかった。自分以外にもこんな本を買う人がいるなんて、と思って。バイトではよくても、いざ仕事にしたら感覚が変わるかと思ったけど、そうじゃなかったんです。好きな仕事につける人っていうのは、なかなかないから、多少嫌なことがあっても、我慢できる。自分にとっては書店員が天職だと思っています。
ただ、仕事としてやってることだから、売れるものと売りたいもののバランスを取ってやっています。自分で数字をつけたもの(多く注文を出したもの)は、責任を持って売ろうと思うのImg_0360 で、なるべく平台に置いたり、場所を変えたりして、できるだけ長く置くようにしています。多めに取って、売れ残ったら返品しちゃえばいい、という発想ではありません。
3.仕事で、これがうまくいった、と思うことは?
人と話したり、本を読んだりして、もっと世界史の勉強がしたい、と思っていた時に、教科書の山川出版社が一般向けに出した「もう一度読む山川日本史」「もう一度読む山川世界史」という本を知ったんです。これを読み直してみると、すごくいい。内容的には教科書そのものなんですけど、今だから、そのよさがわかる。それで、まだあまりこれが騒がれていない時期に仕入れたところ、中ヒットになって、よかったな、と思いました。世間が目をつける少し先に目をつけた、というのが嬉しいですね。
4.印象に残る営業マンは?
名古屋市内から外れるので、大手の方、とくに文芸人文の方はいらっしゃいません。地方のセレクターや、代行でやっていらっしゃる方が多いのですが、売れ筋やほかの書店の情報などを教えてくださるありがたい存在です。来てくださる方とは、大体仲良くさせていただいていますし、感謝しています。
5.気になるほかの書店は?
珍しい書店があると聞くと、全国どこでも行くようにしています。京都の恵文社にも、騒がれるより前に見に行っていますし。書店を見るのが好きなんですよ。東海、北陸、関東は結Img_0361 構行きました。その中で好きな書店と言われれば、地元では春日井のアムル。雑貨も置いてあるお店なんですが、ヴィレッジ・ヴァンガードをもっときれいにしたような(笑)。それから、ザ・リブレット千種店もいいですね。それにやっぱり、ちくさ正文館は基本だと思いますし。
だけど、本当に好きだったのは、上京した当時(88年頃)のリブロ池袋店ですね。あの頃の、リブロの活況を見られたのはよかった、と思っています。
6.将来的にやってみたいということは?
理想を言えば、年を取ったら古本屋がやりたいと思っています。

Img_0362 実は、本好きというより自分は書店好きだと思う、とおっしゃる小池さん。自分はすごい読書家というわけではない。ひとりの作家を何冊も追いかけるよりは、いろんな本を読んでみたい。そして、それを紹介したい、とおっしゃるのだ。実は、その気持ち、すごくよくわかる。本を読むのももちろん好きだが、何か特定の作品やジャンルに固執しているわけではなくく、いろんなものがたくさんある本屋のわくわく感が好きなのだ。だから、書店100軒営業なんて無謀なことを私も考えたわけなんだけど、まさか、現役の書店員にもそういう方がいらっしゃるとは思わなかった。休日にも本屋に行くし、旅行先でも本屋に入るという小池さん。まさに私もそう。思わず、手を取って握手したくなりました。
そんな素敵店長のいるらくだ書店東郷店。喫茶店に新刊書を持ち込むことができる、ということで有名になっており、朝一番から取材を始めたら、みるみるうちに席が埋まり、取材が終わる頃には満席になっていました。
みんな、新刊をただで読むのはいいけれど、たまにはちゃんと買ってあげてね。図書館じゃないんだからね。と、ついついお店に肩入れして、言いたくなりました。
みなさんも、東郷方面にお出掛けの際は、ぜひらくだ書店東郷店に立ち寄って、お買い物してあげてくださいね。書店は売れてなんぼ、なんですから。

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NO10 あおい書店 名古屋本店(名古屋市中区)

さて、この日(2月8日のラストはあおい書店)。
Img_0348 担当編集者にいただいた書店リストに入っていた栄町のお店のうちの一軒。栄近辺でも多めに扱ってくださっているお店。丸栄スカイルの5階にある700坪の大型店。
丸栄。地元の人間はみな知ってるデパートの名前。松坂屋は一応、東京にもあるので全国区だが、丸栄はたぶん、名古屋ローカル。丸栄の栄は栄町の栄だよね、きっと。同じ名古屋ローカルのオリエンタル中村がなくなってしまったので、丸栄にはぜひ頑張ってもらいたいと思う。

この日は午後に取材があって、それが終わってから周りはじめたので、お店に着いた段階ですでに6時。場所が場所だけに、仕事帰りのOLや会社員でお店も混雑しはじめている。
そんななか、牛田光洋さんにお話を伺った。

Img_0350 1.仕事で気をつけていることは?
どのジャンルも偏りなく揃えるということですね。売れそうなものや、話題になっているものをいい場所に置くことは気をつけています。
2.仕掛けてうまくいった、というものがあれば。
まだこちらのお店に来て半年なので、これからというところなのですが、「誰とでも15分以上会話がときれない話し方66のルール」は思ったより売れましたね。
 3.書店員になってよかったことは?
本がたくさん読めるということでしょうか。
4.接客で印象に残ったことなどがあれば。
Img_0352Img_0356_2 最初にこの仕事を始めた時、お客さんから「ありがとう」と言われたのは嬉しかったです。自分はわりと愛想がなく、あまりそういう言葉も使わなかったのですが、自分が嬉しいと思ったので、それ以来、なるべく「ありがとう」と言う言葉を使うように心がけています。お客さんに教えられた、という感じです。
5.印象に残る営業マンは?
あまり押し付けがましくない方がいいですね。かといって、さらっとしすぎていても困りますが。押しの強い方は苦手です。
6.気になるほかの書店は?
Img_0353 やはり、近隣の丸善名古屋栄店さんとジュンク堂書店名古屋ロフト店さんですね。
それから、東京のジュンク堂書店池袋本店で「作家書店」(作家の選んだ本を集めてコーナーを作る企画。選書をする作家は月替わり)をやっているのを見たときは驚きました。よくあれだけのすごい作家に依頼できるなあ、と感心しました。
7.これからやってみたいことは?
そうですね。やっぱり新潮文庫の「白い犬とワルツ」のように、書店から火がついた、というImg_0355 ようなことをやってみたいですね。

老舗のデパートの新館の中にあるということで、幅広く、偏りなく本があるというあおい書店。堅実なラインナップが揃っているという安心感に支えられ、月曜の夜でも多くのお客様が集まっていた。買い物のついでにふらりと立ち寄ったり、待ち合わせなどにも利用しがいのあるお店だ。

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NO9:ジュンク堂書店ロフト名古屋店(名古屋市中区)

Img_0336 リブロを出て、栄をふらふら歩いていたら、ふとロフトが目に入った。
そうだ、ここに入ろう、確か紀伊國屋が撤退した後に書店が入った、と営業の竹田さんが言ってたっけ。それで、いっしょにいた友人の和美と無計画に飛び込んでみる。

まあ、緻密な営業計画を立てていたら、こんなことはやりませんImg_0345 ね。だってここ、いまや栄の書店情勢の台風の目となる店だもんね。
昨年8月14日にロフト地下に600坪の店としてオープン。12月20日に7階にさらに600坪増床して、1200坪のお店となった。現在、名古屋で最大 規模の書店となったのが、ここジュンク堂書店ロフト名古屋店である。
なんてことは、実は文芸担当の清水大志郎さん(いいお名前ですね。いまさらだけど)に伺って知ったこと。
普通、栄でここは外さないよね。これだから怖いよ、素人の営業は。

Img_0337 だけど、そんな素人の飛び込みにも、清水さんは優しく応対してくださいました。
1.仕事で心がけていることは?
まだお店がオープンして間もないので、どの辺が売れるか手探りで試している状況ですね。若い人が多いので、若者向けを多くしています。
2.印象に残る仕事は?
スタートして間もないのでまだ大きな仕掛けとかはないのですが、イースト・プレスさんの漫画で読破シリーズ(名作文学をコミック化したシリーズ)の文庫を集めて置いたところ、動きがよかったですね。
3.自慢の棚は?
Img_0341 Img_0344 この界隈でもっとも多くサブカル系の本を置いていることでしょうか。「世界でもっとも阿呆な旅」(幻冬舎)という本は、入荷された時、誰が買うんだろうか、とスタッフと話していたら、追加受注するくらい売れました。何が動くかわかりませんね。
4.接客してうれしかったことは?
比較的、ぜいたくな売り場を任されているので、「品揃えがいいね」と言われるのは嬉しいです。
5.気になるほかの書店は?
やはり近隣のお店ですね。丸善名古屋栄店とか、旭屋書店名古屋ラシック店とか。
あとは、名古屋駅近くの三省堂。やはりお客さんが多いなあ、と思います。
6.印象に残る営業マンは?
人というより、営業の方からはファックスをたくさんいただくんですが、見ていて面白いものは印象に残ります。なかでも新潮社のファックスは面白い。「○月×日は△△の日だから、これが売れますよ」みたいな事が書いてあって、ほんとかな、と思いながら読んでいます。ちょっとしたフックでも、この人面白いな、と思うと、どんな人だろう、と気になりますね。
7.これからやってみたいことは?
名前で売れる本ではなく、そうでない本で売りたいな、と思ったものがほかのお店より売れるというような仕掛けをしたいですね。本屋大賞の候補にもなっている夏川草介さんの「神様のカルテ」は、発売して間もない頃に見つけて仕掛けておいたところ、動きがよく、だんだんほかにも波及 していって嬉しかったです。
まだまだいろんなものに乗っかっている状態なので、何かうちの店から発信できる本があれば、と思います。

Img_0338 ここには拙著は入っていないだろう、と思っていたら、ちゃんと3冊入荷されていました。さすがの品揃えです。それだけでなく、清水さんは追加で12冊注文を入れてくださいました。心優しい方である。

取材は地下の文芸書売り場の傍で行いましたが、その後、直通(!)エレベーターを使って、7階の専門書売り場にも行ってみました。1階もそうですが、こちらも圧巻の広さ。しかも、それが全部学術書関係だからすごい。ふらりと来たというよりは、ここを目当てに遠くから来るお客さんが多いらしく、みなどことなくインテリっぽく見える。雰囲気も厳かな感じで、軟派なエンタメ作家には居づらい感じで、こちらは早々に退散しました。
でもまあ、何か探しものをするならここ、とくに学術書関係は、ここになければあきらめなさい、と言うくらいすばらしい品揃え。
名古屋の書店もすごいことになってきた、と実感したことだった。

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NO8:リブロ名古屋店(名古屋市中区)

Img_0332 リブロ名古屋店。
実はここ、デビュー作の「辞めない理由」でもお世話になったお店。パルコ出版が版元だった関係で、たいへんよくしていただ きました。だから、名古屋に来た以上、素通りするわけにはいかないのだ。

今日から飛び込み営業開始。その最初にここを選んだのは、まあ、そんな理由。
Img_0333_2 まったく知らないお店より安心だし、もしかしたら、当時のことを覚えてくださる方もいるかもしれないし。友人の和美といっしょとは言うものの、最初の飛び込み営業は、やっぱり馴染みのお店にしたいよね。
で、今回はどんな風に置いていただけたかな、でもリブロ向けの本じゃないかもしれないし、とあまり期 待しないで書棚を見たら、平台の、手前の目立つところに「銀盤のトレース」が置いてあるじゃありませんか。なんて素敵。
Img_0334 で、店長の三浦健さんにお 話を伺ってところ、「僕の家が大須のスケートリンクのすぐ傍なんですよ」と、思いがけない理由で優遇してくださっていたのだった。やっぱりご当地小説だけに、小説に出てきた場所に馴染みのある人もいるんですね。ちょっと嬉しい。

多くのリブロ同様、この店もパルコの中に入っています。220坪という適度な大きさの店内に、洋書のスペースが大きく取られ、美術書や写真集、文芸 などもリブロならではの個性的な品揃え。晶文社50周年フェアや「ロシアの夢19171937」という、本やDVDやグッズ(マトリューシカ人形も!)を絡めた通好みのフェアが、エレベーター前の目立つところでやっているのがうれしい。

Img_0326 さて、この店に来て半年という三浦店長にインタビュー突撃取材をしてみた。
1.仕事で心がけていることは?
本というのは、「その本が売れる場所」に置かなければならないけれど、これが結構難しい。同じジャンルの平台でも、どこにそれを置くか、その隣は何か。ちょっと場所を変えただけで、売行って変わってくる。もう辞められてしまいましたが、新入社員の時の上司だった今泉店長に、「お前は、なんでこの本をここに差したんだ?その隣はなんでこの本なんだ?」ってしごかれたのは、今でも忘れられません。
2.思い出に残る仕事は?
SUMUS』という書物についての雑誌があるんですが、南陀楼綾繁さんや、岡崎武志さんといった、その雑誌の同人の方達に、文庫本100冊セレク トしていただいてやったフェアが一番、印象に残っています。すごく癖のある面白い選書で、そのために小冊子を作ったりして、面白かったです。
Img_0328. 接客をして嬉しかったことは?
お客さんが探していた本を見つけられたときですね。書名も著者名も版元もわからないような本を「これですね」とお渡 しできた時は嬉しいですねえ。
4.印象に残る営業マンは?
自社の本がうちの店のどこにあるか知っていて提案をされるような方、つまり自分 の店をすごく見ているな、という方は熱意が伝わってくるし、気が抜けないな、と思います。逆に「うちの本はどこに置いてありますか?」と聞かれるような方はちょっと(笑)。
それから、情報を持ってきてくださる方、隣には他社のこの本を置いたらいいとか、ほかのお店はこういう風にされているというよ うなことを教えてくださる方はありがたいですね。自社の商品を売るだけでなく、うちのお店を本屋とし見てくださるんだな、と思います。
個人では、 ダイヤモンド社の川口さん。スキンヘッドの男性で、容姿でも印象に残る方なんですけど、火縄銃の国際大会にも出たことがあるそうで。
Img_0329 5. 他店で気になる店は?
名古屋だったら、ちくさ正文館ですね。あんな細かい仕事はなかなかできない。新刊の台から人文社会に繋がっていく並びとか、 参考になります。
6.これからやってみたいことは?
そうですね。3月20日から4月18日に掛けて「ブックマークナゴヤ」というイベント があるんです。
http://www.bookmark-ngy.com/
書店、古書店、雑貨や、カフェ、それに商店街を舞台に本にまつ わるさまざまなイベントやフェアを催すというもので、今年で3回目。この店の前の店長がはじめたイベントなのですが、これはぜひ盛り上げたいですね。

Img_0330 私が受験で上京して、最初に入った書店がリブロ池袋店。その売り場の本のユニークさに驚嘆した。名古屋では見たこ とのないようなお洒落な本がたくさん置いてある! 高層ビルを見ても人の多さを見ても何も感じなかった自分が、東京ってすごい、と初めて思った。あせって何冊も本を買って紙袋に詰め込んで帰ったことを覚えている。まあ、リブロという特別な本屋だったからだ、ということは、自分が東京 に住むようになって初めて知ったのだけど。
もし、今私が高校生だったとしても、このリブロ名古屋店を知っていれば、東京の書店に驚くこともないだ ろう。名古屋にあってもリブロはリブロ。ほかではない、ちょっとお洒落な本、刺激的な本を手っ取り早く探したいなら、実にいい品揃えである。
いま の名古屋っ子は恵まれているよ。

それに、ブックマークナゴヤ。リブロに営業に行って、思わぬよい情報を仕入れました。名古屋は東京に比べて書店員の活動もおとなしいと思っていた ら、やるじゃあないですか、本の文化祭だ。参加書店を見ると、星野書店近鉄パッセ店とか旭屋書店名古屋ラシック店とか丸善名古屋栄店とか、今回の営業で回ったお店もいろいろ入っているし。いいですねえ。フィギュアスケートでもそうだけど、名古屋という場所が大きすぎないから、こうしたイベントもできるん だと思う。ぜひ、このイベントを盛り上げて、名古屋から書店の元気を全国に発信してほしい。

 

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NO7:正文館書店本店(名古屋市東区)

Img_0305 正文館と言えば、教科書ガイド。
というのがかつての名古屋の中高生の常識でした。いえ、そう言われると、正文館さん的には不本意かもしれませんけど。
教科書の正文館。
たぶん、そっちの方が正しい。だけど、教科書ガイドを売ってくれるお店はほかにはなかったの。というか、「教科書の正文館」は、教科書ガイドまでもカ Img_0310_2 バーするImg_0306_3 ほど徹底した品揃えだったんですけどね。その名残は今でも残っていて、2階の学参売り場は圧倒的な充実振りでした。
なので、イメージ的には学術書というか、固い印象があって。ほら店構えも、丸善に通じるような格調高さを感じるでしょ。
ところが、1階の売り場の隅に、こっそりこんな歓迎が。このお茶目なポップは文芸担当の清水和子さんの仕業。いや、ちょっと赤面しちゃいました。すみません、こんな花のない作家で。

Img_0318_2 1.いままでの仕事でこれはうまくいった、ということは?
フェアをやるのがすきなんです。ちょっと前に「青春小説フェア」を企画して、山田詠美さんとか大槻ケンジさんとか海外ではジム・キャロルとかの本を集め、読んだことのある本全部にポップをつけて展開しました。そうしたら数字がよかったので、ほかのチェーン店でもやってくれることになりました。
2.仕事でうれしかったことは?
ポスターを手作りするのが好きで、すごく好きな作家さんの新刊のポスターをいち早く作って飾っておいたところ、営業の方が見て、編集部の方経由で作家さんからサインをいただけることになって。うれしかったですね。
3.接客していて嬉しいと思うことは?
Img_0317 品揃えがいいね、と褒められた時です。それから、私、「本の雑誌」がすごく好きなんですけど、この店のお客さんに一人、創刊号から「本の雑誌」を定期購読されていらっしゃる方がいて、その方とお話するのは楽しいですね。
4.書店員でよかった、と思うことは?
本の発売が事前にわかることですね。それから「本の雑誌」がすごく好きで、たまに「三角窓口」(読者投稿欄)に載せていただいていたら、営業の杉江さんに名前を覚えていただいて、WEB「本の雑誌」の「横丁カフェ」のコーナーを担当させてもらうことにImg_0322_2 なり、そうしたらフリーペーパーで依頼されることになったり。そういうことは楽しいですね。
5.印象に残る営業マンは?
新潮社の岑さんです。好きな作家さんのサインを下さったからというわけではなく(笑)、本のことをよく知っていらっしゃって、お奨めの本がたいへん面白い。それで感想を伝えると、その作家の新刊情報を教えてくださったりするんです。
それからやっぱり本の雑誌社の杉江さんですね。まだお会いしたことはないんですけど、 ブログで本の雑誌の経営が危なくなった時の話(退職しようかと杉江さんが悩んでいたら、お母さんに「そんな息子に育てた覚えはない」と一喝され、退職を思いとどまった)など、涙なくしては読めませんでした。
5.他店で尊敬する書店員さんは?
精文館書店の久田さん。いろんなところでお名前をお見掛けするので、活動範囲が広い方だと思います。
それから、ときわ書房の宇田川さん。この方は、いろんな意味で、雲の上の上の上の方、と言う感じです。
あと、私の理想中の理想のお店である神戸の海文堂書店さんの平野さん。以前、この店が独自に出している小冊子のことを「横丁カフェ」で紹介したところ、本人からお礼のお電話をいただいて、どきどきしました。この方、ブログも熱いですよ。
6.これからやってみたいことは?
私、お風呂で本を読むのが好きなので、この楽しみをいろんな人にわけたいと思って、お風呂フェアをやることにしたんです。実用と地図と文芸の3つの担当が組んで、実用は入浴関係のムックを、地図は温泉関係の本、文芸はビニールでできた文庫を集める、と言う感じのフェアになります。2月16日からなんですけど、それを成功させたいです。
それから、将来的には、プロフェッショナルな書店員になりたいです。検索画面がなくても、どこに何があるかがわかり、内容もちゃんと知っている。実は当書店の支店に、そういう方がいらっしゃるので(知立八ツ田店の家田さん)、私もそうなりたいと思っています。

帰り際に清水さんはご自分で作った「正文館本店文芸ニュース」というフリーペーパーを渡してくださった。手書きのA5版。vol38は「海外文学も良いのだ!」という2ページの特集で、デニス・ルヘイン、グレッグ・ルッカなどお奨め作家4人の紹介と同時に「苦手な方のために:和名に置き換えれば読みやすい」として、マイク→たろう、トニー→とらお、マイケル→まなぶといった和名変換早見表がついているのが愉快。そして、裏面には「正文館の文芸売り上げベスト10」や「お店からのお知らせ」のほかに、「今月の本の雑誌コーナー」という欄が設けられているのだった。これは、このフリーペーパーでの定期連載らしい。どんだけ「本の雑誌」が好きなんだ、清水さん(笑)。
でも、このスタンスが心地よい。好きなものを好きだから紹介する。だから、清水さんの作る棚やポップ、ポスターからは楽しさが伝わってくる。
正文館書店自体はやっぱり学参とかがメインなので、文芸のスペースもとりにくいようだが、こうした清水さんの活動をよしとするのは懐深い。お堅い書店というイメージを持っていたのが、気持ちよく覆されました。

Img_0323_3 ところで、1階の平台に、正文館各店文芸担当者の「2009年私のベスト1はこれだ」というが並んでいたのですが、そこで本店の新井さんが大森望さんの「狂乱西葛西日記remix」を挙げているのを発見。新井さんは文芸担当ではないのに、どうしてもこれを奨めたくて参加されたらしい。
うーん、こんなところでこの本の熱烈な支持者を発見するとは。しかも、発売元は本の雑誌社だし。著者も担当編集者も私、よく知っているし。
世の中狭い、というか、いろいろ縁というのは繋がっているな、と思いました。

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NO6:精文館書店 中島新町店(名古屋市中川区)

Img_0297_2 あおなみ線の中島駅から徒歩10分。大きな駐車場があり、2階にはTUTAYAがあるという典型的な郊外の大型書店。いやー、名古屋は広い。こっちの方に来たのは初めてだし、そもそもあおなみ線の存在を知らなかったよ。
ここからは営業の竹田さんと別れ、担当編集者の高中さんとふたり旅。この店は高中チョイス。日帰りで時間がなかったのにも関わらず高中さんがこのお店に来たかったのは、ここの書店員の久田かおりさんに会うためだ。WEB本の雑誌に連載する(現在は終了)など、活発な書店員活動をしている久田さんとはミクシィ上で知り合い、おつきあいがあるそうなのだが、今回が初対面だそうだ。

Img_0299 一歩店内に入ると、天井が高いと感じます。郊外型のお店は、ゆったりとした作りがいいですね。明るいし、ゆっくり本が選べます。
郊外型のお店では、手作りPOPや書店員さんこだわりのコーナーを、あえて作らないところも多いけれど、ここではやってくれています。ほら、この熱さ。あんまり褒められると恥ずかしいんですけど、うれしいです。てへっ。
で、これが書店員久田さんの仕事なのだった。

Img_0304 1.書店員として心がけていることは?
書店全体の方針としては、やはりデータ重視、売れ筋を並べるというのが基本にあるのですけど、私個人としてはどこにでもあるベストセラーだけでなく、ここに来ると面白い本が買える、と思ってもらえるような本を置きたいですね。それでつい、自分が面白いと思う本を平に並べたりして、怒られるんですけど(笑)。
2.文芸棚の「天地明察」のPOPがすごく目立っていましたね。
Img_0303_2 ええ、あれは実は単品で大きなコーナーを作って推していたんですけど、直木賞や本屋大賞のフェアが始まったので、撤去せざるをえなくなって。POPはその名残です。
3.いままでの仕事で、これはうまくいった、と思うものは?
以前、福田和代さんの「TOKYO BLACKOUT」が面白いと思って仕掛けたところ、全チェーン店で一番売れたのだそうです。その頃はまだ文芸のサブだったので、すごくうれしかったですね。
4.接客をしてうれしかったことは?
お客様に「買う気がなかったのに、フェアを見て面白そうだったから、つい買っちゃったよ」と言われたときですね。
それから、お客様が怒ってクレームをつけられた時、いろいろご説明して、最終的にご納得してお帰りになられた時はやった、と思います。
5.気になる他店の書店員さんはいますか?
Img_0301 ときわ書房の宇田川さんと、丸善ラゾーナ川崎の沢田さんです。お二方とも、本に対する知識がすごくて、何を聞いてもすぐに返事が返ってくる。その蓄積がすごい。書店員としての姿勢もぶれがないし、へこんだ時にはいつも励ましてくださるんです。
私自身が売りたい本と、売らなければいけない本のギャップに悩んだ時、
「売れる本があるから、売りたい本も売れるし、やりたいこともやれるんだ。売れる本はとにかく売っとけ」
と沢田さんに言われたのは、心の支えになっています。
6.書店員になってよかったことは?
好きな本に囲まれていられる、新しい本に触れるというのは、書店員ならでは、ですね。

書店員暦は7年。「私なんか、まだまだひよっこです」とおっしゃる久田さん。だが、前に取材した旭屋の山崎さんが、尊敬する書店員として彼女の名前を挙げていたように、その活動は精力的だ。東京と違って書店員同士の交流が少ない愛知の書店業界で、知られた存在である、というのは、それだけ久田さんのがんばりが目立っているからだろう。本好きの集まる都心部の大型書店と違い、ファミリー層中心の郊外型の大型書店では、広く浅く売れるために書店員としての個性は打ち出しにくいかもしれない。でも、そういう環境で、より面白い書棚作りを目指している久田さん、そして精文館書店中島新町店の書棚を、ぜひ見てほしい。

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NO5. 星野書店近鉄パッセ店(名古屋市中村区)

Img_0291 ファッションビルの8階にあるこのお店。店の入り口のポスターに「五木寛之サイン会」とある。
なに、五木さん?思わず目を剥いた。五木さんといえば、作家の中でも最高ランクの扱いを受ける人。そんじょそこらの書店でサイン会なんてできません。それができることで、この店のランクの高さが窺える。お店に行って、西脇店長さんにご挨拶したところ、丁寧に挨拶を返され、「調べたら5冊売れていました。うちのお店のよImg_0287 うな販売力のないお店でそれだけ売れるということは、きっとほかでも売れますよ」と、おっしゃってくださった。販売力がない、というのは謙遜ですが、こんな無名の作家を丁重に扱ってくださる、腰の低い方でした。

Img_0284 Img_0283 だけど、そんなカリスマなお店にもかかわらず、全体にポップな品揃え。ジャニーズ・韓流関係がi入り口すぐのところにコーナーを作っていたり、奥の漫画・ライトノバル関係は圧巻の品揃えだったり。私の本も、こんなに可愛く飾っていただきました。ほら、荒川静香だよ、ほら、ほら。こんなふうに扱っていただければ、目立つし、売れるよね。ほんと。

Img_0281 で、これを飾ってくださったのが、柘植和紀さん。この広いお店の文庫、新書、文芸、人文、ラノベ、BLをひとりで仕切っている頼もしい人だ。
1.仕事で気をつけていることは?
お客さんに、新しいお気に入りを作っていただくために、なるべく新人の作品を発掘して並べようと思っています。今、展開しているのは冲方丁さんの「天地明察」。この作品だけでなく、最近、ネオ時代小説というジャンルが注目され、若い書き手が時代小説をどんどんImg_0286 出していますね。カバーにもイラストをつけることで、それまで時代小説を読まなかったお客さんが買っている。カバーはとっかかりのひとつで、中身の面白さを伝えるものだから、やっぱり大事だと思います。
2.いままで、これはうまくいった、と思う仕事は?
うーん、毎回仕掛けては負けたり、思ったより動いたり、と、こればかりは出してみないとわからないですしね。
3.気に入っている棚は?
ミステリ、エンタメ系の棚ですね。ジャンルの枠にとらわれず、イラスト集なども入れて、若い女性にも注目してもらえるように心掛けています。真ん中に置いてある「第2次世界大戦紳士録」が売れるのは、うちならではでしょう。
Img_0295 4.こちらのお客さんはどんな方が多いのですか?
うちは漫画やラノベのスペースがこの界隈では一番大きいので、それを目当てにいらっしゃる方も多いんですよ。売り上げ的にもそちらが大きいのですけど。でも、ライトノベル出身の作家さんが文芸で活躍していたりもするし、文芸のものをあえてそちらに置いてみたり、ということはやっています。
5.印象に残るさんは営業マンは?
そうですね。新潮社・文藝春秋社のような老舗の営業さんは、やっぱり熱心だと思います。よく勉強されていますし。そういう方が「面白かったよ」と言うものは、はずれがないですね。
6.気になるほかのお店や書店員さんは?
うーん、外との交流はないので。営業時間が9時までになったので、終わってから飲みに行くなんてこともできませんし。
チェックしている書店は隣の三省堂とお向かいのジュンク堂ですね。何が売れているかは気になりますし、参考にさせていただきます。ジュンク堂さんの昔ながらの並べ方、つまり平台が少なくて、内容ごとに横並びになっているというのは好きですね。きっと一日中いられると思います。
7.書店員になってよかったことは?
発売前の作品が読めるということでしょうか。ときにはゲラで読ませていただいたりするので。それから、好きな作家さんに会えることがある、ということかな。

率直な言葉で、事実を飾らずに伝えようとする柘植さん。受け答えだけだとクールな印象に取られるかもしれないが、仕事ぶりは熱い。私の本の飾りつけを見れば一目瞭然だ。プロフェッショナル。そんな言葉がぴったりな感じの書店員さんだ。そんな書店員さんのいる星野書店近鉄パッセ店を、一度のぞいてみたらいかがかな。とくにコミック・ラノベ関係に興味のある人、そういう系統もいいけれど別のジャンルの面白さも発掘したいと考えている人は、とくに期待が裏切られないと思います。

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NO4 丸善 名古屋栄店(名古屋市中区)

Img_0271 私が子供の頃、名古屋で書店と言えば、丸善でした。名古屋のど真ん中からちょっと奥まったところ、全体では800坪を越える4フロアのビル。当時では類を見ない大規模な書店でした。
丸善とその他。丸善に行って本がなければ、あとはどこに行っても売っていない。
極端に言えば、それくらい丸善という本屋は名古屋では絶対的な存在だった。実は「辞めない理由」で書店営業に来たときも、そのイメージが強烈で、目と鼻の先まで行ったのに、中に入れなかったくらいだもん。私のような軽薄なエンタメ小説を売り込んでも、けんもほろろに扱われるんじゃないか、と思って。

Img_0276 で、今回は営業の竹田さんがいてくれたので、ようやく入店できました。おそるおそるですけど。入ったとたん、目に飛び込んでくる「栄スタイル」という金属のプレート。紙じゃなんだよ。
「栄スタイルとは名古屋栄に暮らす人々の知識や生活のかたちであり、長年培われた風土そのものです。栄スタイル、それを高めるためには、知性、感受性を磨き、生産性を伸ばすことが必要と考えます。本を通じてそのお手伝いをするために、このコーナーではImg_0275 「知」「情」「意」三つの書棚をご用意しました(一部抜粋)」
おおお、丸善だ。品位と風格とプライドを感じる。さすがです。でも、ますます自分の作品とは縁遠い感じがする、とびくびくしていたんですが、予想に反して文芸担当の大森いずみさんと雑誌担当加藤ゆきさんからは、にこにこと温かいお出迎えを受けました。すでに拙著を読んで下さっていて、実は加藤さんにはフリーペーパーで応援コメントもいただいていた。そっか。あれが加藤さんの仕事だったんだ>うかつな自Img_0273分。拙著もちゃんと平で並べていてくださいました。

で、ほっとしたところで、取材をさせていただきました。
1.仕事でこころがけていることは?
大森(以下、敬称略):お客様の年齢層が高いので、そうした方々にアピールできるものを目立たせると同時に、若い方にも気に入ってもらえるものも飾ってバランスをとるということです。4~5年前のことですが、岡田淳さんの「雨やどりはすべり台の下で」という児童書がいい作品なので、児童書のスタッフと協力して文芸の方でも展開しました。すると、思いがけずヒットになり、そのご縁で、岡田さんに講演会をしていただくことになったりもしました。そんなふうに、定番と思われる以外のものも積極的にご提案していきたい、と思います。それが、丸善らしいと思ってもらえれば、あるいはここの店員さんが言うのなら、と思っていただけるとうれしいですね。
加藤:その時、旬のものをジャンルを問わず置くということと、男性の方に女性誌を、あるいはその逆、ということをやって、普段はその雑誌を読まない方にも読んでいただくようにしたいです。以前、「クレア」と言う雑誌のプレゼント特集の号を男性誌の方でも展開したところ、とても評判がよかったんです。ビジネスの接待に使ったり、奥さんや恋人に贈る参考にしていただけたようです。
Img_0277 2.1階で展開している知・情・意のコーナーは面白いですね。
大森:あれはチェーン全体で3年前から展開している取り組みなんですが、お店の特性をああいう棚で出していこうということで、当店では知・情・意ということをテーマに、各部署の担当が協力して作っています。
加藤:うちではコミックの棚はないんですが、今回のフェアでは「深夜食堂」も入れてバリエーションを持たせていますね。
3:えっ、こちらにはコミックは置いていないのですか?
大森:ええ。棚として揃えることはしていません。
加藤:毎年、どうしようかと検討されるんですが、そのたびに、それをやるとうちの店らしくなくなるのでは、と却下されて。
大森:丸善全体でも、そういう店はもうほとんどないでしょうね。もともと丸善は文具、洋書、アパレルも揃っている書店だったのですが、それが全部揃っていて、おまけにギャラリーもある、というのは、当店が最後のお店ですよ。
4.印象に残る営業マンは?
大森:白水社の田代さんですね。穏やかでものすごく知識がある、というだけでなく『この作家さんなら他社のこの本も集めてこういうくくりでやるといいですよ』というようなご提案をしていただけるんです。田代さんに限らず、その本以外の周辺の話も聞かせていただけると、とても勉強になるし、仕事の助けになります。
加藤:オレンジページの島村さんです。直接のご担当ではないのですが、私の心の師匠です(笑)。とても熱い方で「自分が書店員であることを忘れるな」「出版社や取次ぎではなく、つねに読者を見て仕事しろ」といつもおっしゃる。仕事で壁に突き当たってときは、この方の言葉に助けられます。
5.これから仕事でやっていきたいことは?
大森:ここは名古屋という地域でずっとやっている書店ですが、一方で全国チェーンでもある。地元名古屋の作家さんとの繋がりを生かして、いろんなコーナーを作り、全体に提案できるような、そんな仕事をしたいですね。全国展開と地元密着を最大限生かした仕事をしたいです。
加藤:なにか単品でもいいから加藤が日本一売った、というものを作りたい。もちろん売り上げを上げたいということもあるのですが、書店員が思いを伝えるのは本を通してでしかない。何かひとつを日本一売るということは、その本に対する思いを一番多く伝えた、ということになるんじゃないか、と思うのです。だから、ぜひやってみたいです。

うーん、あっぱれ丸善名古屋栄店。伝統の姿勢を守り続ける店の姿勢もすばらしいが、店員さんたちの志も高い。匂いたつ知性と品格は、店の方針とそこで働く書店員たちが作り出しているものだったのだ。これからも名古屋の知の牙城としてそこに在り続けてほしい、私のような軽薄な作家が売り込みをためらうような店でいてほしい、と心から思いました。

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No3 .旭屋書店名古屋ラシック店(名古屋市中区)

昨日から名古屋入り。この日だけは、担当編集者と営業担当の方が付き添ってくださる。いわゆる作家の営業活動。なので、協力してくださっている書店さんを中心に周ることになる。

Img_0265 まずは名古屋のお洒落ビルラシックの5階にある旭屋書店。やっぱりお洒落。まだ新しいからぴかぴかだし、スペースもゆったりしているし、本棚とかもダークブラウンでシックな感じ。店内、ぱっと目立つのはお菓子とかお料理のB5のムック。ひと目で女性が多いお店だな、ということを感じます。
こちらには、ほら、私のコーナーを、文芸の新刊の一番目立つコーナーに置いてくださったりして。感激です。どきどきします。こんなにImg_0262_2 大きく扱っていただいて、いいのだろうか。ね、背景の青い手書きのPOPが見えますか?

文芸担当は、山崎連代さん。「銀盤のトレース」のフリーペーパーでも、応援コメントをよせてくれていました。さらに、拙著「ブックストア・ウオーズ」を、その年の本屋大賞に推薦してくださっていたとのこと!いえ、実はひとりだけ押してくださっていた方がいたのは、本の雑誌のImg_0263 増刊を立ち読みしていて(当時、金欠だったので買えなかった)把握はしていたんですが、まさかその本人にいきなり会えるとは。
あれって、実は作家にとってはすごい励みになるんだよね。ノミネートされるような小説はいろんなところで褒められているんだろうけど、無名の作家は褒められることが少ないから。しかも、本屋大賞って、書店員さんが3作品にしか投票しないんでしょ? それなのに、その1冊に自分のをわざわざ選んでくれる、しかもいろいろ読んでる書店員さんが推してくれる、っていうのは、すごいうれしいんです。なんて、自分の話はおいといて。

1.ここにこだわっています、という棚は?
いまだと、本屋大賞のノミネート作を集めた平台ですね。POPや一押しのものにはコメントをつけています。POPは数は作れないけど、できるだけやりたいですね。
以前、有川浩さんの「三匹のおっさん」の似顔絵を一人づつ描いて、コメントで好きなキャラとか書いてつけておいたら、作家の有川さん自身が来てくださって、それが受けていました。
2.仕事で、これはうれしかった、ということは?
吉田修一さんの「横道世之介」を最初に読んだときから、すごくいいな、と思って、推していImg_0267 ました。出だしは悪かったんだけど、ずっと平台に置き続けていたら、ようやく売れて、本屋大賞にもなったし、よかったな、と思いました。白石一文さんの「白石一文さんの「ほかならぬ人へ」も、ゲラで読ませていただいて、応援のフリーペーパーにも書かせていただいたんですが、それが直木賞を受賞して、祥伝社の方と「よかったねー」と喜びました。
もともと本が好きで、「いい本を読んで」と薦めるのが好きだったから、そうやって薦めた本が認められたり、面白いと言ってもらえるのが一番うれしいですね。
3.接客してうれしかったことは?
以前、「イラストレーターの名前がわからないけど、目のつりあがった女の子の絵の画集がほしい」と言うお客さんがいらっしゃって、いろいろ調べて奈良美智さんの画集を見つけたら、すごく喜んでくださったのはうれしかったですね。
4.印象に残る営業マンは?
いろいろいらっしゃるんですけど、御社の竹田さん(同行してくださった方)は、20年来のおつきあいで、公私共によくしてくださる、頼れるお姉さんですね。
5.気になる他店の書店員さんは?
Img_0268 有隣堂アトレの加藤泉さんと、精文館の久田さんです。
加藤さんは、とにかくすごい人。本をたくさん読んでいて、休日には映画ざんまい。そのメリハリがすごい。
久田さんは、おかあさんだけど、仕事もがっつり、家のこともちゃんとやっていらっしゃる。本もよく読んでいて、すごいと思います。
6.これからやってみたいこと
この書店の奥に大きな飾り棚があるんですけど、忙しくて、まだ文芸を仕掛けたことがないんです。それをぜひやりたいですね。

セレブ系女子の集まるお洒落書店は、インテリアが素敵なだけでなく、目利きの書店員がいて、いち早く面白い本を紹介してくれます。もし、何か面白い本が読みたくなったら、山崎さんに聞いてみたらいいんじゃないかな。

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No2:明和書店(東京都江戸川区)

こちらは、私のデジタルの師匠であるライターの斉藤芳子嬢(大森望夫人)の推薦する本屋さん。西葛西駅のガード下、メトロセンター3番街にある18坪ほどのこじんまりしたお店。
Img_0224_2 芳子嬢曰く「ここは『狂乱西葛西日記remix』(本の雑誌社)を20冊売ったお店」ということで、興味を覚えた。この本、翻訳家で評論家の大森望さんのウェブ日記(日本最長寿ブログだそうだ)の最初の6年分を収録した本で、SFだのミステリだの出版業界だのに興味のある人には抱腹絶倒ものだが、ない人にはとことんわからない、という、、まあ、偏った本。これがこの規模の店で20冊売るのは、確かにすごい。
Img_0226 Img_0228 んで、店の前に行ったら、ひと目でわかるそのユニークさ。
張り紙攻勢。手作り感満載。でも、これって人目を引きますね。お店の中に入ってみると、ちゃんと直木賞受賞作や東野圭吾さんの「カッコウの卵はだれのもの」(光文社)のようなベストセラーも並んでいて、一見、普通のお店なんですけど。店長の川野知也さんに写真を撮らせてください、と言ったら、左の写真。Img_0231_3Img_0230_2 通に撮られたのでは面白くないらしい。
「仕事でこだわっていることは?」
「いや、ないですねえ」と言いながら、見せてくださったのが、岩波書店の本ばかり集めたストッカー。出版業界に詳しい方なら知っているだろうが、岩波の本は委託ではなく買い取り。18坪程度 の本屋では扱っていないことの方が多い。さらに、
Img_0233_2 「自慢できる棚とかありますか?」
「いや、ないです。ああ洋泉社の文庫がそろっていることくらいかな」
さらに、見せてくれたお気に入りの本が左下の写真。カルトな本、満載。「フィリピーナの愛憎読本」「律儀なれど任侠者」「世界20カ国でやっちゃった」「亡命露ロシア料理のレシピ」などなど。私には、書名どころか版元さえ知らない本もありました。基本、サブカル系が異様に充実しているんですね。店長さん曰く、
「どこにも置いてない本を置きたいんです」
Img_0236_2 実はこだわりの方である。ただ、素直ではない。
「印象に残るお客さんは?」
「ロリコンの本を買ったおじさんが『この本、どこの本屋を探してもなかったんだ。いやー、ここはいい本屋だ、と言ってもらえたのはうれしかったですね」
「気になる書店とか、書店員さんはいますか?」
「いや、僕は人付き合いが苦手だから」
つまり、かなりシャイな方なのだ。それで、接客業というのは辛いような気もするが、この空間にこの店長さんはとても似合っている。見たことないような不思議なタイトルの本が並Img_0240_2 んだ書棚を眺めていると、世界にはまだまだ知らないことがある、知らない面白さがある、という気持ちになってうれしい。本というのは、どこか知らない世界へ誘ってくれる扉だ、ということを改めて思う。お客さんも、そんな雰囲気に浸りたくて、わざわざここに来るのではないだろうか。
「ところで、『狂乱西葛西日記remix』を20冊、売ったそうですね」
「いえ、正確には16冊です。あれ、新聞広告に載ったでしょう? それを見て『西葛西の本が出たそうだけど』とおっしゃる年配のご婦人とかがいらっしゃるんですよ。それに対して、『お考えになっているような本ではないと思いますよ』と言ってしまう自分が憎い。商売人としたら、黙って売る方が正しいのに」
実は、心優しい人である。インタビューの途中で国民読書年の話になり、どんなフェアがいいか突然、黙り込んで熟考したりする、実は仕事好きな人なんじゃないだろうか。

あ、私の本はもちろん(?)置いてなかったので、注文書をつきつけて、強引に5冊、注文をとりました。この店の平台では、浮くだろうなあ(笑)。

西葛西に来ることがあったら、ぜひこの店を訪ねてみてください。きっと、ユニークな本との出合いが待っているはずです。

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No1:オリオン書房ノルテ店(東京都立川市)

Img_0244_6 記念すべき1軒目は、立川のオリオン書房ノルテ店。
私的には最初はここしかない、と思っていた。
というのは、ここは2作目の「ブックストア・ウォーズ」を書いた時、版元の新潮社さんの計らいで、研修をさせていただいたお店なのだ。石黒店長じきじきに接客の仕方を教わり、当時は文芸書担当だったカリスマ書店員白川さんに、仕事全般ご指導いただいた。その3日間があったから、書店の仕事の詳細をリアルに描けたのだと思っている。
研修が終わった後も、何度もイベントに訪れているし、私には思いいれの深い書店なのだ。ちなみに、ノルテ店のイベント参加回数で、私は2番目らしい。最多参加者は業界でも有名な書店イベントフォロアー、青月にじむさんだ。

Img_0248_3 立川駅から歩いて3分。
駅の出口からそのまま続く歩道の先、1階にHMVが入っているビルの2階にこの店はある。
ここのいいところは、ワンフロアで、800坪もあるということ。いやー、壮観ですよ。目に入るすべてが本。思わず胸が高鳴りますね。蔵書は50万冊だそうで、ここにくれば、たいていの本は見つけられると思います。通路もゆったりとってあるから、ベビーカーできても大丈夫。併設されているカフェではお茶を飲みながらの読書も可能だし、この店で2時間や3時間はラクに潰せそうです。

Img_0256 文芸担当は、入社して間もない辻内千織さん。辻内さんに、いくつか質問をしてみました。
1.ここにこだわっています、という棚は?
断筆宣言された豊島ミホさんが好きなので、こそっと集めてさよならフェアをしています。いつか戻ってきてほしいという願いをこめて。

Img_0254_2 2.接客して嬉しかったことは?
ほかの書店員ではなく、わざわざ私のところに問い合わせにきてくださる方がいるんですよ。中には名前もちゃんと覚えてくださっている方もいて。そういう方にお会いすると、ほんとに嬉しいですね。
3.仕事で、これはうまくいった、ということがあれば。
うーん、まだこれからなので‥‥。教えていただくことが多いです。今は、初めてのイベントを仕掛けているところです。『ami』の刊行を記念して平岡あみさんと宇野亜喜良さん、穂村弘さんをお迎えしてのトークイベントを2月7日に行います。このイベントは、もともとは穂村弘さんとお会いできないかな、と思ったことがきっかけなのですが、白川さんやほかのみなさんの協力を得て、実現することになりました。今はそれを成功させたいと思っています。
Img_0251_2 4.印象に残る営業マンは?
白水社の岩野さんです。いつも素敵なネクタイとシャツをお召しになっていて。素敵といってもキティちゃんのネクタイとか、ユニークなと言う意味の素敵なんですけど(笑)。外見のインパクトだけでなく、仕事でも細かいところまできちんとフォローしてくださる方なんです。別名でブログをやっていらっしゃって、そちらもいろいろ参考になります。
5.ノルテ店以外で思いいれのある書店は?
学生時代、よく通っていた吉祥寺リブロですね。ここの児童書売り場がこじんまりして、とても好きでした。
6.書店員になって、よかったことは?
本をたくさん見られることでしょうか。学生時代、書店でアルバイトをしていたんですが、一度、辞めたんです。そうしたら、毎日変わる文庫の面を見られないのが寂しくて。それで結局、本屋に就職してしまいました。
7.これからやってみたいことは?
伊坂幸太郎さんのトークイベントですね。あの方はなかなかイベントにはご出演なさらないけれど、できれば。誰か、伊坂さんが断ることができないような方をいっしょにセッティングしたら、出ていただけないでしょうか。

隣には上司で先輩の白川さんが同席されていたせいか、それとも取材が始めてなのか、緊張気味だった辻内さん。でも、こちらの質問も真面目に、誠実に答えてくださいました。その初々しさが、これからの書店営業100軒の道のりを明るく示しているようでほのぼのした気持ちになりました。

Img_0247 ところで、営業報告。そんな縁があるからか、私が営業に来ることが事前に知らされていたためか、ちゃんと平積みで拙著が置かれておりました。ありがたいことです。POPを2枚書かせていただいたので、それも合わせて飾ってくださるでしょう。
こうして、書店営業1軒め、無事終了。

オリオン書房ノルテ店HP
http://www.orionshobo.com/

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はじめに(続き)

書店営業100軒。
出版業界を知っている人ほど冷ややかな目で見るだろう、と思う。
「いまどきは、書店よりもネット書店の力の方が大きい」
「営業しても、本が売れないんだから、やっても無駄だ」
「なにしろ、取次ぎも書店もパンク状態で、末端まで本が行き渡らないんだから、営業しても仕方ないんじゃないの」
「いまどきは勝ち組と負け組がはっきりしている。売れない本は何をやってもだめ」

私自身が長く出版社に勤めていたから、そういう否定的な意見も想像がつく。
だけど、だから嫌なんだ。
やる前からあきらめている。
ネット書店や宣伝力(資本力)には太刀打ちできない。
はなっから、決めて掛かっている。

でも、本ってそういうものじゃないはずだ。
本なんて、たかだか3000部でもちゃんと売れば利益が出るもので、ヒットしたといっても、10万、20万の単位でしかない。
それって、テレビの視聴率に直せば0.1%0.2%とか、誤差の範囲でしかない。出版なんて商売はマスではないんだよ。出版業界のヒットなんて、よほどのことがないと世間一般の人には知られないんだから。

本を読むという行為自体がすごく個人的な行動で、読み方もひとそれぞれで。だけど、だからこそ読書の楽しみはその人にとって大きな体験となりうる可能性も持っていて。そんな曖昧なものは、マスにはなりようがない。
だからメガヒットなんて狙わなくてもいい。小さい商売をこつこつ重ねていけば利益を生み出す、そういうものだったはずだ。
ほんのちょっとした工夫や努力によって、利益が変わる、そういう商売だったはずだ。

その工夫や努力は、たとえば編集者の発案だったり、営業担当の人の頑張りだったり、宣伝マンの企画性に出てくるかもしれない。だが、それがいくらいいものだったとしても、書店という現場で展開してもらえなければ、形にはならない。それを取り次ぎの人が仲介してくれなければ、身動きが取れない。
いろんな人のちょっとした努力で形になるのが、出版という商売だったはずだ。
人の努力や能力、繋がりが目に見える商売だったはずだ。

私個人は、それを確かめたいと思う。
そのための手段が100軒書店を周ること、というのが正しいのかどうかわからないが、実際に書店を周ってみれば、ネットでただ検索するだけではわからないことが見えてくるのだと思う。版元や取次ぎにお任せしていただけでは気づかない、現場の声が伝わってくると思う。
効率なんて、くそくらえ、だ。

書店営業は作家のやるべきことではない、というのはおそらく正論だ。餅は餅屋。本来はプロの営業に任せるべきだと思う。私自身がプロの営業マンの代わりになれるなんてうぬぼれは持っていない。
だが、私はものを書く立場にある。
ものを書く人間は、積極的にものを見るべきだ。
見て、感じたこと、思ったことを発表していくべきだ。
今、出版業界が大きく変わりつつある。電子書籍元年になるだろうとか、いよいよ出版社が淘汰される時代になったとか言われている。
ネットでも、そういう議論がしきりだ。
だけど、それが嫌だ。みんなただ、憶測だけでものをいい、否定論や旧体制への批判ばかりがまかり通る。

もちろん、私もいままでの出版業界のあり方に悪いところが多々あることは知っている。内部にいたからこそ、一般の人より知っているだろう。だけど、それ以上によいところがあるから、今まで続いてきたのだと信じたい。
そして、それを自分の目で確かめたい。

ばかばかしい、ちっぽけな反骨精神から、そう思っている。
で、書店営業100店舗。
できれば、地方を多く回りたい。営業する対象が、名古屋を舞台にしたスケート小説だし、自分の出身地でもあるから、おそらく名古屋中心の営業になるのは間違いない。
名古屋を拠点に岐阜や金沢、三重も周りたいし、関西方面や広島、最終的には福岡にも足を伸ばしたい。あと、仙台には必ず行こう。
名古屋は地元だから、金沢はいとこが住んでいるから、広島は担当編集の出身地だから、福岡には知り合いの書店員がいるから。仙台はスケートの北の中心地だから。
周る理由はきわめて個人的だ。

さらに、訪れる書店も、規模や売り上げはあまり関係ないものになるだろう。基本的には、紹介を重視したい。だから、版元の実業之日本社の営業さんから紹介があればそれが第一だが、私自身の友達や、取材した書店員さんからの紹介があれば大歓迎だ。あるいは、このブログを読んで、「うちにも来てください」という奇特な書店があれば、可能な限り行こう(旅費と日程の都合もあるので、絶対可能かどうか、かわからないが)
だから、結果的に、
「えっ、京都に行ったのに、あの有名書店員に会わなかったの?」
「広島のあの大書店を外すなんて、論外でしょ」
ということになるかもしれない。
でも、それでいい。この取材に関しては、版元が立ち会わないものは基本的に自腹だ。このブログをまとめて、後々本にしよう、なんてせこいことも考えていない。

だから、自分の気持ち次第で動きたい。
何よりも、縁を大事にしたい。
私が見たいのは、何よりも人、なのだから。
100軒、周り終わったあと、どんなことを感じるか、自分でもわからない。
ただ、徒労だった、と思うかもしれない。
それなら、それもいい。
わからないから、やる価値がある。
営業という口実のもとに、100人以上の書店員さんたちとこれから出会えることを、今はただ楽しみにしている。

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はじめに

最新作「銀盤のトレース」の営業のために、何かしよう、という話を編集者としていた。
「名古屋の話だから、まずは名古屋の書店営業ですかねえ」
と私が言うと、
「そうですね。でも、東京の方も周りたいですね。でも、普通のことをやってもつまらないし」
と、編集者。
「だったら、いっそ100軒とか周りましょうか。デビュー作の『辞めない理由』で50軒まわっているから、それくらいはいけると思いますよ」
ついうっかり言ったことに、編集者が食いついた。
「いいですね、ぜひそれで行きましょう」

そんな具合に書店を100軒周ることに決定した。
書店営業。
普通は、作家はあまりやらない。やるとしたら、営業さんから、
「あの書店さんで先生の方をたくさん売ってくださっているので、先生からもお礼を言ってください」
みたいな感じで頼まれ、営業の人と編集の人に連れられて行く。行った書店には本が平積みになっていて、場合によってはその作家のコーナーが作られたりしていて、
「こんなに売って下さって、ありがとうございます」
と、作家もにこにこしながら書店さんにお礼を言う。まあ、そんな形だ。
実際、「辞めない理由」の営業の時にも、そういう形を取らせていただいたお店もあった。版元がパルコ出版だったので、とくにリブロ系列では手厚く扱っていただいた。
だがまあ、無名の新人作家である。そんないい形を取らせていただいたのは、50軒のうち2、3割程度。大半はまったく本を置いていなくて、
「すみません、こういう本が出たのでよろしく」
と挨拶する。それで、書店さんの態度が好意的だったら、
「じゃあ、何冊か入れてもらえませんか?」
と、すかさず注文表を差し出して、注文を取る。そういうやり方だった。飛び込みで入った店もあったし、自分ひとりで周った店もある(これも飛び込み)。

これは、作家自身はあまりやらない。本来は版元の営業さんのお仕事だ。
でもまあ、営業さんも忙しいし、本を売りたいのは作家自身なのだから、営業さんが許してくれるなら(本来、営業の仕事なので、その職分を侵すことになるし、その会社の営業部の方針の邪魔にならないようにしなければならない)、新人の場合はむしろ自分で営業すべきじゃないか、と思っていたのだ。その当時、「さおだけ屋がなぜ潰れないのか?」でブレイクした山田真哉さんが、デビュー作を売るために100軒以上、自力で営業されたことが話題になっていたから、それに影響されたところもある。

それで4年前に50軒周った。だけど、その時と同じことをやってもつまらない。どうせやるんだったら、私なりに乗れる企画を考えたい。それで、思いついたのが、
「書店員に逆取材してそれをブログに載せよう」
ということ。
実は前回書店を50軒周ったときもブログには記録した。だけど、自分の営業報告だけではあまり面白くない。どれも似たりよったりになるし。
だったら、いっそ書店紹介も兼ねてしまえばいいんじゃないか。最終的に書店100軒のカタログみたいになればいい。そうすれば、訪れた書店さんも、一般の読者も、読んでいて面白いんじゃないだろうか。
何より、書店好きな自分が楽しい。思い出にもなる。

そんなわけで、これから100軒、書店を周り、営業しながら取材もします。写真も撮ります。
営業ということを考えれば、2月3月の短期集中。しかも、2月中旬締め切りの原稿を抱えながらの作業になるので、結構たいへんだし、お金も掛かる(基本的に自腹)。
でも、だからこそ、書店訪問を楽しくしたい。楽しい記録にしたい。読んでもらう人に興味を持ってもらいたい。
そんなことを今は思っています。

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